◇NTTジャパンラグビーリーグワン1部第1節(2024年12月22日 東京・秩父宮ラグビー場)
2季前王者で昨季6位の東京ベイが、昨季7位のトヨタを30―27で破り、白星スタートを切った。連覇に挑んだ前シーズンはプレーオフ進出も逃す失意を味わったが、ケガのためシーズン全休だった南アフリカ代表フッカーのマルコム・マークスが復帰するなど今季は戦力が充実。大型補強で意気上がるトヨタを退けた。
試合は終始苦しい展開だった。前半12分に昨季のアーリーエントリーで出場した1年目のフッカー江良颯が先制トライを挙げたものの、その直後にWTBハラトア・ヴァイレアがシンビンに。1人少ない間に逆転されると、その後も2トライを許して前半を10―21で終えた。
先にスコアしたかった後半も7分に新加入のSO松田にPGを許し、14点を追う展開に。それでもその直後にマークスや日本代表のSH藤原忍、プロップのオペティ・ヘルらリザーブ5人を一気に投入。息を吹き返すと、2連続トライで4点差に迫った。7点差で迎えた35分には、新加入ロックのメルヴェ・オリヴィエのトライとコンバージョンで、ついに同点に。最大14点のビハインドからついに追い付いた。
そのまま引き分けかに見られた後半ロスタイムも、相手の必死のディフェンスに抵抗されながらも、粘り強くボールを保持し、ゴールラインへ迫った東京ベイ。そして17次攻撃目、藤原のパスを受けたSOバーナード・フォーリーが、正面約27メートルの位置から放ったドロップゴールがポールの中央を通過し、劇的なサヨナラ勝利。コンバージョンは5本中4本を外していた司令塔が最後に大仕事をやってのけた。