◇全日本バレーボール選手権最終日 男子決勝 サントリーサンバーズ大阪3―0大阪ブルテオン(2024年12月22日 Asueアリーナ大阪)
SVリーグ勢による男子決勝が行われ、サントリーが大阪Bとのダービーマッチを3―0で制し、2010年以来、13大会ぶり(19年は中止)の優勝を果たした。07年に現在の方式となってから2度目の制覇で賞金2000万円を獲得。5月に加入した高橋藍(23)は千両役者の活躍で、最優秀選手に選ばれた。
最後まで冷静だった。2セットを連取し、迎えたマッチポイント。絶好球に対しアタックの体勢に入ろうとした高橋藍が選択したのはフェイクセット。ノーマークになったムセルスキーが決めると、右拳を握り勝利をかみしめた。
「最後の1点の取り方は非常に重要な部分でみんなで取ろうと。直感というか(ムセルスキーが)チームのエースなんで託すことにした。責任をしっかり果たせた」
日本代表の一員として出場した今年8月のパリ五輪準々決勝・イタリア戦。2セットを連取し勝利まで「あと1点」と迫りながらフルセットの末に逆転負け。勝利を決める1点の重みは痛いほど感じただけに、より確率の高い方を選んだ。
今大会は本拠を置く大阪での開催。相手の大阪BにはSVリーグの開幕戦となった10月11日と本拠地開幕戦だった同14日の2試合ともに敗戦。「あれから2カ月、やってきたことの全てを出し、自分たちの立ち位置を知ること。勝っておくことが重要だったので気合が入った」。SVリーグは16試合を終えた段階で11勝5敗の4位。この大会では、準々決勝からリーグ戦上位3チームを全て撃破した。
10得点はもちろん、サーブでも多くの工夫を凝らして相手を崩した。今月29日から再開するリーグ戦に向け、確かな自信を得た。「勝っていける強さを磨いていかないといけない」。加入1年目のサントリーで初のタイトル獲得も、高橋藍にとっては通過点でしかない。
≪大阪Bは連覇を逃す≫大阪Bはまさかのストレート負けで大会連覇を逃した。ジェイテクトに在籍した20年から出場4大会連続の優勝を狙ったパリ五輪日本代表の西田はアタックで9得点と力を発揮できず。サーブミスも目立つなどチームに勢いを与えられなかった。「自分たちが悪くサントリーさんが良かった。悪いものが出切ったと考えて、リーグ戦で借りを返したい」とSVリーグに気持ちを切り替えた。