中日から国内フリーエージェント(FA)権を行使した福谷浩司投手(33)が、日本ハムに移籍する意思を固めたことが23日、分かった。宣言残留を認めていた中日と、ヤクルトとの3球団からオファーを受けていたが、決断。来季プロ13年目を迎える右腕が、北の大地で新たな野球人生を迎える。これで今オフ、FA宣言した全9選手の来季所属先が決まった。
来年1月9日に34歳を迎える右腕が、大きな決断を下した。宣言残留を認めていた中日と、オファーを出していたヤクルトにこの日、断りを入れ、日本ハムで新たにプレーすることを決めた。
11月に権利を行使し、同月に自身のYouTubeチャンネルで「(33歳という)年齢を考えたら今しかない。(異なる)チームや環境で勝ちに全力で貢献する中で、より成長できる場所を探したいという気持ちがあった」とファンに向けて自らの口で語っていた。また、自身が他球団からどう評価されているかを聞くことで「こういうやり方もある、という選択肢を増やして今後の野球人生に生かしていけるのはプラスになる」とも話していた。
福谷は今季年俸2000万円で人的や金銭ともに補償が発生しないCランクであることもあり、3球団による争奪戦に発展した。プエルトリコでのウインターリーグ参加後、米国で自主トレを行い、今月中旬に帰国。20日には名古屋市内でヤクルト、日本ハムと初交渉を行った。両球団とも球団幹部が足を運び、獲得への熱意を伝えた。いずれも、複数年契約を提示されたとみられるが、初交渉から3日後に新たな活躍の場を決断した。
日本ハムとしては、6球団の争奪戦だった山崎を獲得した昨オフに続き、2年連続でFA争奪戦を制した。レッドソックス傘下3AからFAとなった上沢がソフトバンクに移籍して古巣復帰がなくなり、現役ドラフトでは田中瑛、鈴木の2投手が流出。投手補強が急務だった。14年には72試合に登板し、20年には8勝を挙げるなど先発、中継ぎのどちらもこなせる右腕の加入。新庄監督の就任4年目となる来季へ、大きなピースが加わった。
◇福谷 浩司(ふくたに・こうじ)1991年(平3)1月9日生まれ、愛知県出身の33歳。愛知・横須賀から慶大に進み、12年ドラフト1位で中日に入団。14年に32ホールド、15年に19セーブなど18年までは主に救援で活躍し、19年からは先発に転向して20年には自己最多の8勝。1メートル83、93キロ。右投げ右打ち。