2025年ドラフト戦線は、目玉が不在とみられている。それだけ有力選手の実力がきっ抗する中、西日本には大阪桐蔭(大阪)の最速152キロ右腕・森陽樹(2年)ら上位候補として高評価を受ける逸材がそろう。そこでスポニチでは、高校生から社会人まで、来秋注目必至の西日本の候補選手を厳選して紹介する。 (取材・構成=河合 洋介)
高校生で注目度No・1と言えるのが、大阪桐蔭の森だ。スラリと伸びた手足、1メートル90の長身から150キロ超の剛球を投げ下ろすロマンの塊。小学生の頃に書いた目標達成シートには、用紙の真ん中に設けられた「成し遂げたいこと」の欄に迷わず記した。「ドラ1競合」――。少年時代から変わらない夢を実現すべく、名実ともに世代No・1に挑戦する。
高校入学直後から次代の怪物候補として注目を集めてきた。1年生の頃、西谷浩一監督へ提出する野球ノートに「150キロ以上を投げる」と書くと、「150キロでええのか?160キロでなくてええのか?」と返ってきた。数々のプロ野球選手を育てた名将の目にも、素質の高さは疑いようがないのだ。今秋の練習試合で最速を1キロ更新する152キロを計測。厳しい冬を経て、持て余す潜在能力を解き放とうとしている。
この将来性とは裏腹に、大事な試合では同学年投手の中野大虎(2年)に先発登板を譲ってきた。「球速は出せても信頼される投手にはなれていない」。来春の選抜出場は絶望的で、勝てる投手であることは最後の夏に示すつもりだ。「この高校に来た以上は、日本一にならないといけない。そして、さらに注目されてプロ野球選手になりたいです」。絶対王者のエースには、来夏の主役となり、ドラフト1位で指名される未来が見えている。
◇森 陽樹(もり・はるき)2007年(平19)8月1日生まれ、宮崎県延岡市出身の17歳。小1から東海東少年野球クラブで野球を始めて投手と捕手。聖心ウルスラ学園聡明中では軟式野球部に所属。大阪桐蔭では1年秋から背番号15でベンチ入り。2年春夏と2度甲子園に出場し、2年秋に背番号1。50メートル走6秒7、遠投120メートル。1メートル90、92キロ。右投げ左打ち。