現役ドラフトで日本ハムから広島に加入した鈴木健矢投手(27)が23日、広島市南区の球団事務所で入団会見を行った。パ・リーグからセ・リーグに環境が変わることを踏まえ、今オフは球速アップをテーマに“セ界”仕様へ態勢を整えていく方針を示した下手投げ右腕。23年には先発、中継ぎで計6勝をマークしており、新天地でもマルチな活躍を期す。背番号は「41」に決定した。
鈴木は緊張感を漂わせつつ、背番号「41」のユニホームに袖を通した。22年春に横手投げから下手投げに転向した変則右腕。改めてカープの一員としての活躍を期した。
「(移籍の)連絡を受けた時は本当にびっくりしたのが正直な感想だった。日がたつにつれて、実感が湧いてきた。自分の持ち味をしっかり生かして、カープの優勝に貢献できるように頑張りたい」
現役ドラフトでは初となる2巡目指名を受け「すごく意気に感じている」と感謝した上で、早くもセ界攻略を見据える。パからセへの移籍に向け、すでに“学習”を開始。特徴の把握に努め、すでに動き出してもいる。
「DeNAの中川君がクライマックスシリーズや日本シリーズで投げているのを見て、“こういう配球をすればいい”とか、見て勉強していた。直球が130キロ台中盤とか出ていて、差し込めていたので、やっぱり球速はある程度必要だなと。オフは球速アップを目標にやっている」
同じ下手投げ右腕のDeNA・中川颯の投球を参考に、自身に必要な部分を再認識。そこで今オフは球速アップをテーマにトレーニングに励んでおり、来年1月に古巣のENEOSで行う単独自主トレでも具体的数値を掲げ、そのレベルアップを目指す。求めるのはズバリ「4キロ」だ。
「ウエートトレーニングとか下半身を中心にトレーニングして、体幹も一から見直してやっていく。今シーズンは(平均球速)131キロとかだったので、135キロくらいは出したい」
日本ハムでは新庄監督の勧めで22年春季キャンプから下手投げに転向。23年には先発、救援で24試合に登板して6勝(4敗)1ホールドをマークした。新天地でもマルチな活躍で存在感を発揮する。
「先発も中継ぎも、両方できるのが強み。“いけ”と言われたら、さまざまな場面で仕事をするのが僕の仕事なので、どんな場面でも対応できるようにという気持ちでいる」
新井監督からも「なかなか(下手投げは)いないですし、面白い投手なので、楽しみにしている」と期待を受ける下手投げ右腕。セ界でも打者の上手に立ってみせる。 (長谷川 凡記)
◇鈴木 健矢(すずき・けんや)1997年(平9)12月11日生まれ、千葉県出身の27歳。木更津総合、JX―ENEOSを経て、19年ドラフト4位で日本ハム入団。22年春に新庄監督の提案でサイドスローからアンダースローに転向。先発、救援どちらもこなし、23年にキャリアハイの6勝。1メートル76、80キロ。右投げ左打ち。