宝塚歌劇団で人気を集めた女優の加茂さくら(かも・さくら、本名大谷照子=おおたに・てるこ)さんが21日午後6時30分、肺がんのため兵庫県西宮市の病院で死去した。87歳。東京都出身。
「加茂すみれ」の芸名で共にタカラジェンヌとして活動した妹の大谷茂子さんと弟の清さんによると、今年の3月にがんが見つかった。加茂さんは、家族以外は誰にも告げず、6月に入院。茂子さんはほぼ毎日見舞い「亡くなるその日にも病院で“100歳まで頑張りや”と声をかけ“よっしゃ、頑張るで”と言っていた」としんみり。「長女で芯の強い女性だった。母の面倒を見て、私たち妹弟の面倒もよく見てくれる姉だった」としのんだ。
京都市で育ち、1955年に歌劇団に入団。娘役として、雪組トップスター真帆志ぶきさん(2020年死去)との名コンビで知られた。主な出演作に「花のオランダ坂」「クレオパトラ」など。71年に退団後は映画やテレビで活躍、ワイドショー「3時のあなた」の司会も務めた。
2014年には歌劇団が初演100周年を記念して本拠、宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)に設けた「宝塚歌劇の殿堂」に選出された。
加茂 さくら(かも・さくら、本名大谷照子=おおたに・てるこ)1937年(昭12)7月16日生まれ、東京都出身。高校を中退して宝塚音楽学校入り。1955年「春の踊り」でデビュー。出演作に映画「トラック野郎・爆走一番星」ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」など。
▼真琴つばさ(元タカラジェンヌ) お年を重ねられても変わらぬ美しいお声…なのにお話しする時は、ちょっと低音で、ちょっと姉御肌で、そして時折見える可愛らしさ…。在りし日のお姿をしのびつつ、謹んで哀悼の意を表したいと思います。
◇加茂さくらさん葬儀日程
【通夜】24日午後6時
【葬儀・告別式】25日午後2時
【場所】兵庫県尼崎市西長洲町2の2の46、クレリ尼崎ホール
【喪主】弟清(きよし)さん