スポーツ専門局「ESPN」電子版が23日、30球団で最も大きな欲求不満を抱えるファン層はエンゼルスファンだと報じている。
野球ファンは不満を訴えることが多い。球団ごとに給与格差が著しいし、お金を使おうとしないケチなオーナーも少なくない。チームを改善するために必要な動きができないフロントオフィスも存在する。そこでESPNは不満を抱くファンのいらいら指数を基に、過去のチームの動向、2024年のパフォーマンス、そして現時点でのオフシーズンの動きを考慮してワースト10球団のランキングを作成した。
栄えある(?)1位に選ばれたのはエンゼルスファン。2002年から2009年までの8年間は模範的な球団で、6回のプレーオフ進出を果たし、その後も勝率の高いシーズンを重ね、2014年には98勝を記録した。しかし、それ以降はアーティ・モレノ・オーナーやフロントオフィスにチームづくりの一貫した計画がなく、マイク・トラウトと大谷翔平の時代を無駄にした。モレノ・オーナーの介入が失敗の主要な原因となっているが、エンゼルスは現在、9シーズン連続で負け越し中、2024年には球団記録となる99敗を喫した。
このオフ、エンゼルスはいくつかの動きを見せた。35歳のカイル・ヘンドリックス投手と36歳のトラビス・ダーノー捕手と契約し、33歳のDHホルヘ・ソレアをトレードで獲得した。目玉は、34歳の左腕・菊池雄星を獲得したことだ。とはいえ、菊池はベースボールリファレンスのWARで「2」以上のシーズンを達成したことは6シーズンで一度もない。ソレアをフルタイムの指名打者(DH)として起用することで、トラウトは毎試合外野を守る必要が出てきたが、33歳のトラウトはDHとしての出場時間を増やした方が良い状況にある。はっきり言ってしまうと、これまでの失敗の歴史を繰り返すような寄せ集めの選手獲得だ。
これはドジャースの成功とは好対照。ロサンゼルスという広大なファン層を抱える市場でプレーするメリットを生かせば、エンゼルスも同じように成功できるはずだ。実際、エンゼルスは2003年から2019年まで毎年300万人以上の観客を動員していた。2012年にグッゲンハイムグループが球団を買収する以前のドジャースは混乱状態だった。その後、両球団の道は正反対の方向に分かれていった。
現在、エンゼルスはMLBで最も長くプレーオフから遠ざかっている球団。その一方で、ドジャースは12年連続でポストシーズンに進出した。エンゼルスのファンは、今や町の反対側でプレーする大谷を見なければならない。まさに最もフラストレーションを抱えるファン層だと言える。ちなみに2位はマリナーズ、3位はホワイトソックス、4位はツインズ、5位はブルージェイズとなっている。