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中村俊輔氏 パルマで見た監督像「やりたいことをやる」 「俊輔監督」誕生へ前進!イタリアでS級海外研修

スポニチアネックス 2024年12月25日 4時58分

 【月刊中村俊輔 12月号】22年シーズン限りで現役を引退し、現在は横浜FCのコーチを務める元日本代表MFの中村俊輔氏(46)がサッカーの魅力を語り尽くす「月刊中村俊輔」。12月号のテーマは今月に行ったS級ライセンス講習最終行程の海外研修について。日本代表GK鈴木彩艶(22)も所属するセリエAのパルマで過ごした約2週間を振り返った。(取材・構成 垣内 一之)

 「カテナチオ(ゴールに鍵をかける)という言葉に代表されるように、イタリアには昔から守備の美学がある。今もその伝統が引き継がれているのか。かつて世界最強リーグといわれたセリエAが今、どう復活しようとしているのか。それを自分の目で見たかった」

 複数の選択肢から俊輔氏が海外研修の地に選んだのは、自身が海外初挑戦したイタリアだった。

 クラブは今季セリエAに復帰したばかりのパルマ。かつて中田英寿氏が所属した屈指の名門だ。

 「パルマはオーナーが米国人で国際色豊かなクラブ。分析担当もパリSG出身だったり、選手は若くて計16カ国と多国籍。それをペッキア監督が、クラブとどう連携を取ってマネジメントしているのか。どんな練習メニューをこなしているのか。各コーチとのリレーション、連携をどう図っているかを見させてもらった」

 研修の主眼はもちろん、監督の役割について。かつて福岡で指揮をした経験を持つペッキア監督や分析官、栄養士に直接インタビューする機会を持つなど、有意義な時間を過ごしたようだ。

 その中でも驚いたのが、ペッキア監督の指導法だったという。

 「日本では今、日本代表の森保監督のように役割を細分化して各コーチに任せるマネジメント型が推奨されている。だけど、ペッキア監督は真逆で、自分でボールを持って笛を吹いてピッチの真ん中に立ちながら指揮する昔ながらのタイプだった」

 自らがイメージした監督像とは違ったというが、その意図を説明され、今後のヒントにもなったという。

 「ベニテス(監督)の下でコーチをしていた時、戦術以外は彼がやっていたみたいで、“自分はこのやり方がやりやすいし、自信がある”と言っていた。だから“ナカもいろんな練習をして、いろんな監督さんを見てきたと思うけど、自分がやりたいことをやった方がいい。それが一番、選手に伝わるから”と言われた。それは大事なことだと思った」

 もちろん、彩艶と話す機会もあった。

 「イタリア語と英語の勉強を毎日していて、オフもあまり外に出ず、栄養も凄く気を使っている。まさに、サッカー漬け。セリエAは膝下の動作が速く、強烈なシュートを打つ選手が多いから、彼にとっては成長できるいいリーグだと思う」

 海外研修を終え、いよいよ日本代表やJリーグでも指揮のできるS級ライセンスを取得する。「S級を取得できても、それが終わりでも始まりでもない。来年も横浜FCを勝たせるため、選手を成長させられるように、自分も成長できるように頑張りたい」

 待望の「俊輔監督」誕生へまた一歩、大きく前進した。

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