元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏(55)が25日までに自身のSNSを更新。匿名での公益通報について言及した。
毎日新聞はスクープで、化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の社長らの起訴が取り消された冤罪(えんざい)事件で、警視庁人事1課が2023年、匿名で公益通報をした警視庁の警察官に対し、身分を明かすよう執拗(しつよう)に迫っていたことが判明したと報じた。
この記事では、「公益通報者保護法は、公益通報を匿名でも可能としており、有識者は“実名を明かすよう強要し、通報者を特定しようとすることは法の趣旨に反する”と指摘する」などとしている。
橋下氏は、毎日新聞のスクープ記事を引用し、「権力側は、通報者を特定するための調査をしてはいけない。まずは第三者による内容調査。その過程で通報者に重大な非違行為があれば、通報によるメリットとの比較衡量で処分を決める」とつづった。
公益通報者保護法に関する消費者庁の有識者検討会は24日の最終会合で、内部通報者を解雇・懲戒処分とした事業者に「刑事罰を導入するべきだ」とする報告書案をまとめた。通報者への報復の抑止強化が狙い。通報者を特定する「探索行為」については、禁止規定を設けることを求めた一方、罰則導入は見送った。
公益通報を理由とした「嫌がらせ」「不利益な配置転換」も罰則は見送り、探索行為とともに今後の検討事項とした。委員らは来年通常国会での法改正を求めており、消費者庁が近く報告書をまとめる。
一方、告発を受けた組織側が「目的が不正で、内部通報に当たらない」と判断すれば通報者が保護されなくなる課題についても議論されたが、対策案はまとまらなかった。
今年兵庫県や鹿児島県警などで起きた問題で焦点となっており、今後国会で論戦が続くとみられる。