2022年のオーディション「第9回東宝シンデレラ」でグランプリを受賞した白山乃愛(12)とファイナリストの今濱夕輝乃(12)が、公開中の「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」(監督中田秀夫)で映画デビューを果たした。ともに小学生役でフレッシュな演技を披露。同じ埼玉県出身の仲良しコンビだが、女優としては互いの存在が刺激になっている。
白山は昨年、デビュー作の日本テレビドラマ「Dr.チョコレート」で10歳の天才外科医という難役を好演し話題になった。今濱は「今回の撮影現場でも、本番になると休憩時間とは別人みたいに雰囲気が変わる。凄いなって尊敬します」と隣に座る白山を見ながらほほ笑んだ。
一方の今濱も昨年、時代劇専門チャンネル「橋ものがたり『約束』」でデビュー。5歳から始めた剣道で全国ベスト8に入る腕前で「将来は刀や剣を使った殺陣やアクションに挑戦したい」と意気込む。白山は「普段はふわっとしていて可愛いのに、剣を持つと目つきが変わるんです」と称賛する。
白山は長澤まさみ(37)、今濱は上白石萌音(26)と、自身と同じオーディションから羽ばたいた大先輩を憧れの女優に挙げる。白山と長澤の最初で最後の対面は約1年前。仕事終わりに偶然、街中で遭遇した。「“がんばってね”って言われたんですけど、うれしすぎてフリーズしちゃって。“ありがとうございます”しか言えませんでした」と苦笑い。次会えたらどんな話をしたいか尋ねると「うーん…」と数秒考えた後「好きなお菓子とか聞きたいです」とはにかんだ。
今濱は自身のオーディション当日、会場にいた上白石から「すごかったね」「頑張ってたね」と優しく声をかけられた。「映画やドラマにたくさん出ていて忙しいのに、いろんな人に気を使っている。上白石さんみたいな優しい方になりたい」と目を輝かせる。そんな上白石とは「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」で初共演。撮影をともにすることはなかったが「憧れの人と同じ作品に出られるのはすごく幸せ。ずっとワクワクしていました」と声を弾ませた。
天真らんまんな白山と、大人びた雰囲気の今濱。キャラクターが異なる同い年の新人女優が、切磋琢磨(せっさたくま)しながら大先輩の背中を追いかけていく。(塩野 遥寿)
◇白山 乃愛(しろやま・のあ)2012年(平24)7月11日生まれ、埼玉県出身の12歳。小学校ではクラブ活動でバドミントンに熱中。
◇今濱 夕輝乃(いまはま・ゆきの)2012年(平24)7月5日生まれ、埼玉県出身の12歳。特技は剣道で、毎日欠かさず3時間稽古に励む。