芯を持って“男前投球”復活だ――。ソフトバンク・板東湧梧投手が27日、29歳の誕生日を迎えて本紙の単独インタビューに応じた。今季まさかの入団年以来となる1軍登板なし。オフは課題の出力向上を狙い、神経学を導入した。胸をポイントに心身から鍛え「芯がある男」になると誓った。7年目の来季も先発候補として超激戦の開幕ローテーション入りを狙う。(聞き手・井上 満夫)
――29歳になった。今季はまさかの1軍登板なしに終わった。
「28歳。早過ぎましたね。人生、あまり順調に来たタイプじゃないけど、ここまでずっと苦しかった1年を、味わったことなかったです。今年の最後の最後にちょっと希望が見えたのが救いというか、そこが改めて“野球、楽しいな”と思えた瞬間やった。それで終われたのは、良かったと思います」
――まずはメンタル面で29歳の改善テーマを挙げるとすれば。
「体はめちゃくちゃ元気なんです。とにかく自分を信じること、自分のものをつくり上げることを凄く考えています。自分に自信がなくていろんな人に話を聞いて“正解や”と思ってドハマリするタイプだった。振り返れば、いい感覚とは自分が持ってるもの。それを信じて取捨選択をうまくする。それが自分は下手なんで。自分の体の声を聞いたり、その辺が大事になってくるんかなと。あとは期待をし過ぎずにいきます」
――フィジカル面での改善点は?
「今オフから神経学を学んでいます。意識を常に胸に置いてます。筋肉を大きくするのではなく、腱を強くするイメージのトレーニングをする。“伸張反射”というのですが筋肉を使うと反射が使えないのでウエートのやり方から変えています。全部、まだまだ勉強ですよね」
――食事面の変化などはあるのか。
「麺類が大好きなんですが、食べないとかゼロにするのは無理。痩せちゃうのもあるので。そのバランスを取りながらアラビアータとかの量を減らしたり。食べますけど、オフ時期の小麦の摂取量なども調整しています」
――28歳のマイブームが初挑戦の「洗顔」だった。肌の変化は。
「それが1年、続けられたんですけど、めっちゃ肌荒れもしました。やり方、合ってんのかな。今のマイブームといったら、野球とゴルフですけどね」
――29歳。どんな男になりたいのか。
「やはり野球で芯のある男になりたい。ぶれてどこにいってるか分からないのが良くないパターン。自分の色があまりないので、自分でつくり上げていくものを野球ではつくりたい。男として、人間としても芯のある大人になれるように男として格好良くなりたい」
――来季も先発枠で挑む。同じ誕生日の石川柊がFAでロッテ移籍。小久保監督に言われたことは?
「監督さんに言われましたね。“おまえ、チャンスやぞ。石川がいなくなる可能性もあるし、おまえたちからしたら、チャンス。やれよ。スピードが戻らなくても戦うすべはあるやろ。そこらへんを自分で考えてやっておけ”と言っていただきました。どんな状況でも勝負したいし成長していかないといけないです」
◇板東 湧梧(ばんどう・ゆうご)1995年(平7)12月27日生まれ、徳島県出身の29歳。小2から投手兼遊撃手として野球を始め、鳴門では2年春から4季連続甲子園出場。JR東日本では18年の都市対抗で3勝を挙げ、4強。18年ドラフト4位。1メートル82、84キロ。右投げ右打ち。