阪神・森下翔太外野手(24)に、2024年に起きた「個人的5大ニュース」を聞いた。2軍降格を経て不動の主力に定着した激動の一年。11月の「プレミア12」では日本代表の4番を務め、プライベートでも大きな転機があった。涙あり、笑いあり。人気選手の素顔がギュッと詰まったスポニチ独占企画をお届けするとともに、富田宅での鍋パーティーに潜入した虎番記者のリポートもご堪能ください。 (取材・構成 石崎 祥平)
≪1位≫1人暮らしスタートが堂々の1位でしょう。なんせ、ハプニングの連続でしたから(笑い)。1歳下の富田とカーテンや家具をそろえたのはいいのですが、部屋の照明器具を買い忘れたことに気づいて、すぐに家電量販店へ戻りました。ガスを未契約のまま入居し、カギも1度なくして…。
憧れていたウオーターサーバーを注文した後も大変でした。トークショーなどでほとんど家にいなくて、なかなか設置ができません。ある日、ポストを見たら不在票が8枚も(業者の方、本当にすみません)。受け取りは無理だと思って、キャンセル料を払って購入を断念しました。でも、先に買った水のタンクだけ、家に2個あるんですよね。サーバーがないのに、どうやって飲みましょうか(笑い)。今は家具、日用品はそろったのでご心配なく。
≪2位≫2位は、プレミア12で侍ジャパンの4番を任されたことですね。それも、9試合全てで。うれしかったです。井端監督から「休むか?」と言われても、断りました。日本代表の4番は、なりたくてもなれるポジションではないので。体は疲れていましたけど、ずっと「出ます」と言っていました。選手全員が、(元SMAPの)中居正広さんからAirPods(ワイヤレスイヤホン)をプレゼントされた時は感動しました。しかも背番号入りですよ。紛失したらどうしよう…と思って、使うのをためらっています。いつ解禁しようか迷っていますね。
≪3位≫3位はトーク力アップです。関西弁ではなく、標準語ですけど…。オフシーズンのトークショーは、場合によっては午前、午後の1日2回開催があります。そこで、話す題材をなるべく変えるようにしていました。内容はほぼ一緒になってしまっても、ニュアンスを少しだけ変えたり。2回とも参加してくれたファンの方にも楽しんでもらおうと思って、工夫しました。微妙に変化を加えていたことを、気づいてもらえましたか?あと、入浴後に使うフェースパックや、入浴剤などをたくさんプレゼントしてもらって感謝しています。来年も肌はつるんつるんでいけます。
≪4位≫2軍降格は本当にショックが大きくて…、これが4位ですね。7月6日に落とされて、その直後にあった社会人との練習試合は、気合が入りまくってホームランを打ちました。そういえば、こんな笑い話も。昇格する前日の18日のオリックス戦で、ドーピング検査の対象になったんです。2軍でのドーピング検査はめったにないと聞いていて、検査員の人も「2軍で実施することはあまりない」という低い確率なのに、ランダム抽選で当たってしまった。バットじゃなくて、そこは当たるんだ!みたいな(笑い)。いろいろありましたけど、約2週間の2軍暮らしの悔しさがあったから、後半戦の打撃につながったと、今は思っています。
≪5位≫5位は今季No・1のホームランです。4月3日DeNA戦(京セラドーム)で、浜口さん(現ソフトバンク)から6回に打った1本(2号2ラン)です。左翼の5階席まで飛びました。あれは完璧。打った瞬間、生意気に「確信歩き」をしちゃいましたからね。あの一打は、プロ2年間でもトップクラスじゃないですかね。あとCSファーストステージの2戦目に、DeNAのジャクソンからレフトポール際に打った低弾道弾も、感触は良かったです。
【“キムチ鍋”会で後輩・富田に恩返しの入浴剤】鍋の中にふんだんに入れられたカニ、ホタテ、カキ、白子…。この忘年会も兼ねた“キムチ鍋”会を主催したのは森下だった。
「家で一人で食べるのが面倒くさい時はトミーの家(笑い)」
12月20日。“仕事納め”となったトークショーを終えた森下が車で向かった先は1学年後輩の富田の自宅。“今か今かと待っていた後輩は熱が通りやすく、味も染み込みやすくするためシイタケに切り込みまで入れ、米5合を炊いて万全の状態でスタンバイしていた。
森下の「いただきま~す」で始まった宴。炊飯器の米は一瞬でなくなり、雑炊はパックのご飯も投入するほど。1時間弱のハイペースで空っぽになった鍋をのぞき込んだ富田は「おいしい鍋の作り方はいつでも教えてあげるから」と上から目線で笑っていた。
森下は感謝も忘れていない。後輩に買ってきたのが入浴剤だった。さかのぼること10日前。ともに今月から一人暮らしを始めたが森下がガス契約を忘れる凡ミス。それを自宅のレンタル風呂で救ったのが富田だった。
富田の入浴中にはゆずの香りがする固形3個を放り込み、その後は部屋に掃除機までかけた森下。「借りは早く返しておかないとチクチク言われるので(笑い)」。恩返しを忘れず、帰途に就いた。