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【惜別球人】中日・田島慎二 後進育成へ「みんなも後悔のないようにやってほしい、そのサポートになれば」

スポニチアネックス 2024年12月29日 5時47分

 今年も10月下旬のドラフト会議で将来のプロ野球界を担う有望な若者たちが指名されて夢だったプロの門を叩いた一方、多くの選手がユニホームを脱いで新しい人生をスタートさせることになった。去りゆく選手を2回に分けて紹介する年末恒例の「惜別球人」。第1回はセ・リーグ編、中日・田島慎二投手。

 10月5日、本拠地バンテリンドームでの引退セレモニー。中日一筋13年、チームの危機を何度も救ってきた田島は、あふれる涙を何度も拭い言葉を紡いだ。

 「名古屋で生まれ、名古屋で育ち、野球を通じて、たくさんの方々に出会い、僕は成長できたと思います」

 6月27日に引き際を決めた。甲子園での阪神戦。同22日に今季初昇格して迎えた初登板だった。1死も奪えず、4失点で降板した。「アウトを一つも取れなかった、あの試合で心が折れた。やめないといけないのか、と思う試合でした」。同29日に出場選手登録を抹消。右肩や背中など度重なる故障に悩まされながら、戦い続けた。

 ブルペン陣の精神的支柱だった。周囲を気遣う人柄で、誰からも慕われた。マウンドでは仁王立ち。1年目の12年は56試合に登板し、新人最多10試合連続を含む30ホールドを記録。16年は開幕から31試合連続無失点のプロ野球新記録(当時)を達成し、「タジ魔神」の愛称で親しまれた。

 来季は2軍投手コーチを務める。「自分はやめる時、納得いくまでやりました。みんなも後悔のないようにやってほしいし、そのサポートになれば」。後進の育成に尽力し、チームを再び常勝軍団にすることが恩返しとなるはずだ。(湯澤 涼)

 ◇田島 慎二(たじま・しんじ)1989年(平元)12月21日生まれ、愛知県出身の35歳。中部大第一では甲子園出場なし。2年時に捕手から投手に転向し、3年夏の愛知大会は4強入り。東海学園大には捕手で進学し、投手に再転向した。11年ドラフト3位で中日に入団。1メートル81、87キロ。右投げ右打ち。

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