◇全国高校ラグビー大会1回戦 長崎北陽台56―19城東(2024年12月28日 花園ラグビー場)
2大会ぶり出場の長崎北陽台は城東(徳島)に10トライを奪うなど56―19で快勝。出場13大会連続で初戦突破した。県勢は花園通算70勝目。体重105キロのPR田中俊毅(としき、2年)が2トライを挙げるなど躍動した。あす30日の2回戦ではAシードで優勝候補の大阪桐蔭に挑む。
2年ぶりに戻ってきた長崎北陽台の青ジャージーは強かった。原動力は花園デビューだった田中。105キロの体格を思わせない軽やかな動きで、相手陣地に突き進み何度もチャンスをつくった。「自分の強みのボールキャリーでしっかり前に出られたので良かった」と晴れやかな表情。前半9分、後半7分にはともにラインアウトからモールで得点を決め快勝発進に貢献した。
入学時の体重は113キロ。「自分は食べ過ぎていたんですよ」と頭をかく。中学時代は外食に行けば、好物のチキン南蛮定食を4人前注文してパワーをつけていた。初代監督の浦敏明総監督から「脂肪を落として肉に変えろ」とアドバイスを受け食生活を改善。チームメートが増量に励む中、定食は1人前に抑えるなど一人だけ体を絞ってきた成果を発揮した。
昨年は長崎大会決勝で長崎南山と26―26で両校優勝。抽選により花園切符を逃した。レギュラーが11人残った現チームは、昨年度の花園の試合を見てモチベーションを上げるなど悔しさを忘れずに歩んできた。この勝利で長崎勢は花園70勝に到達。主将のLO下田秩(ひいづ、3年)は県内のライバル、長崎南山、長崎北の名も挙げ「偉大な人たちが築き上げてきたものなのでうれしく思います」と感慨に浸った。
あす30日の2回戦は選抜大会を制したAシードの大阪桐蔭に挑戦する。「引かずに前に出て行きたい」と田中。放課後の練習は1時間半。関西入りしてからも空き時間に3年生は受験勉強に励む秀才軍団がすべてをぶつける。 (杉浦 友樹)