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巨人VS阪神“伝統の一戦”世界進出構想 榊原コミッショナー「ソウルとかロンドンで」

スポニチアネックス 2025年1月7日 5時2分

 プロ野球の榊原定征コミッショナー(81)が6日、将来的な海外での公式戦開催の構想を明かした。日本野球機構(NPB)が仕事始めを迎え、新年の抱負とともに22年の就任から掲げている「国際化の推進」について言及。私案として巨人、阪神の「伝統の一戦」のソウル、ロンドン開催を具体例に挙げた。またこの日、巨人など各球団が仕事始めを迎えた。

 積極的な海外戦略を展開する大リーグを引き合いに出した。96年から米国、カナダ以外での公式戦を継続的に開催しているMLB。榊原コミッショナーは「日本もできたらいい。巨人―阪神戦をソウルとか、ロンドンでやるとか、そんなことできたらいい。構想だけですけど」と私案を披露した。

 3月18、19日に東京ドームで大谷、山本の所属するドジャースと、鈴木、今永のカブスが開幕戦を行う。榊原コミッショナーは昨年、韓国・ソウルで開催されたドジャースとパドレスの開幕戦を視察。飛行機やホテルの予約が殺到したことなど経済効果の大きさも実感していた。大リーグ機構のロブ・マンフレッド・コミッショナーとも会談。中国、インドなどで事業を拡大する世界戦略案も耳にしていた。今年も「来られたら会います」と3月の開幕シリーズ中の会談を予定する。

 MLBは「ワールドツアー」と銘打ち韓国、メキシコ、欧州など世界のファンに公式戦を届けている。榊原コミッショナーは「経済的にも選手の体力的な負荷も大きい」と高いハードルがあるとしたが、日本野球への需要はある。巨人が昨年3月に台湾で中信と親善試合を行い、台湾プロ野球史上最多来場者を記録。MLB同様に本格開幕前の海外での開幕戦実施であれば、日程面などの問題もクリア可能だ。

 22年の就任時に「観客動員の拡大」、「国際化の推進」、「事業規模の拡大」を3本柱に掲げた。海外での公式戦開催は、そのいずれにもつながる。「1桁違う」としたメジャーとNPBの総収入。「いろんなところでやって野球を広めている。メジャーは責任を果たしている」と理想に掲げた。(神田 佑)

 ▽メジャーの主な海外公式戦 96年8月、メキシコでのパドレス―メッツ3連戦が米国、カナダ以外での史上初開催だった。日本では00年のカブス―メッツ戦を皮切りに、04、08、12、19年の5度開幕戦を開催。全て東京ドームで04年はヤンキース・松井秀喜、08年はレッドソックス・松坂大輔、岡島秀樹が出場。19年はマリナーズ・イチローが試合後に現役引退を表明した。他に01年4月にプエルトリコ、14年3月にオーストラリア、19年6月に英ロンドンで初開催。昨年は韓国でドジャース―パドレスの開幕戦が行われた。

 ≪PSシステムに議論の必要性≫榊原コミッショナーはポストシーズンのシステムについて議論の必要性を示した。昨年はDeNAがセ・リーグ3位から日本一。「ドラマチックな展開だった。ただ、感情的に3位のチームが日本一か?というのはある。“シリーズチャンピオン”とか言い方を変えるとか」と私見を述べた。ピッチクロックの導入は消極姿勢ながら、試合時間短縮に向けた取り組みの必要性を口にし、セ・リーグのDH制導入にも前向きな姿勢。「安住してはいけない。ルール(の変更)も考えないといけない」と語った。

 ≪中村勝彦氏が事務局長に≫NPBは、事務局次長だった中村勝彦氏が1日付で事務局長に就任したと発表。井原敦前事務局長は特別顧問に就いた。中村事務局長はこの日、リプレー検証でカメラの台数の違いなどで、球場ごとに判定への影響が出ないようにと審判員や球場関係者と協議。「話し合いを続けている。球場にお話をして今シーズンの改修もお願いしている」と説明した。

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