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中畑清氏 “見せる”千両役者 楽天・辰己に期待

スポニチアネックス 2025年1月7日 4時47分

 【キヨシスタイル!】凄かったねえ。青学大が大会新記録で2年連続の総合優勝を飾った箱根駅伝。我が母校、駒大も復路優勝で総合2位と頑張ったんだけどね。MVPは山下りの6区、野村昭夢君だね。5区の若林宏樹君に続く区間新記録をマークする快走だった。

 「山を制する者が箱根を制す」と言うけど、「山の神」と言われるのは山上りの5区だったよね。その概念を覆す下りの神走り。演舞っていうのかな。走りながら舞い、演じているようでさ。テレビの前で「いよっ、千両役者!」と声掛けちゃったよ。

 そういえば、今の野球界では…。大谷翔平というとんでもなく凄い役者がいるけど、活躍の舞台は海の向こう。日本のプロ野球には誰がいるだろうか。ただ数字を残すだけじゃなくてさ。プラス〓の魅力があって、子供たちが憧れる選手。

 私たちの時代にはいっぱいいたよね。ファンがその姿を見たくて球場へ足を運ぶスター選手。ONをはじめ金田正一さん、張本勲さん、山本浩二さん、星野仙一さん、江夏豊さん、田淵幸一さん…。

 名勝負もたくさんあった。村山実さんVS長嶋茂雄さん、江夏さんVS王貞治さん、江川卓VS掛布雅之、伊良部秀輝VS清原和博…。ワクワクドキドキしたよ。

 プロって見てもらってナンボ。見せてナンボ。そういう意味じゃ今は残念ながらキャラクターの濃い選手が少ない気がする。

 そんな中、存在を大きくアピールしているのが楽天の辰己涼介だ。昨オフのNPBアワーズでは最多安打、パ・リーグ特別賞、ベストナインの表彰ごとにちょんまげや金髪のカツラなどいでたちを変える仮装3連発。ゴールデングラブ賞の表彰式では顔を金箔(きんぱく)で包み、金髪、金色スーツと全身ゴールドで登場した。

 日本ハム・新庄剛志監督の現役時代とかぶるパフォーマンス。新庄監督がそうだったように、辰己も結果を残した上で演じてるんだよね。昨季は史上最多となる397刺殺をマークし、4年連続ゴールデングラブ賞、初のベストナインに選出された俊足の外野手。魅力があるよ。

 今年はもっともっと出てきてほしいな。実力に加えてプラス〓を持ってる千両役者。オレは待ってるぜ! (本紙評論家・中畑 清)

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