リーグ2連覇の王者・神戸が8日、始動した。いぶきの森競技場で約1時間のトレーニング。昨年オフに契約を更新した“MVP男”FW武藤嘉紀(32)は、前人未踏の偉業を目標に掲げた。
「まずはチームのことを考えてプレーをする。そこは変わらず、ガムシャラになって結果を出す」と大前提を口にした上で「今まで2年連続でMVPを取った人はいない。そこは狙っていきたい」。J発足後32年間で、MVPを2回受賞したのは元日本代表MF中村俊輔(現横浜FCコーチ)のみ。2年連続受賞者はいない。誰も登ったことがない高みを見据えた。
昨季は名古屋から年俸3億5000万円の破格オファーが届いた。同2億7000万円の神戸よりも好条件だった。だが「お金も重要ではありますけど、それよりも重要なものがある。MVPを取れたのも周囲のサポートがあってこそ。神戸でこそ自分は輝けると思いました」。三木谷浩史会長直々の慰留を含め、クラブ側の熱意を感じ取り、残留を決断した。
「神戸に移籍した時に“タイトルをもたらす”“アジアチャンピオンになる”という目標を持ってきた。まだ取れていないものがある」。目指すは史上2クラブ目のリーグ3連覇、クラブ初のアジア王者。その先に数々のレジェンドが成し遂げられていない“MVP連覇”がある。