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野口健氏 エベレストの登山者の増加、ゴミ問題に警鐘「極めて危険なアイスフォールも大渋滞」

スポニチアネックス 2025年1月8日 19時14分

 アルピニスト・野口健氏(51)が8日、自身のX(旧ツイッター)を更新。エベレストの登山者の増加、ゴミ問題について警鐘を鳴らした。

 野口氏は2000年からエベレスト清掃活動を続けているが、この日「昨年からエベレストの清掃活動を再開しましたが…2000年から大規模なエベレスト清掃活動を行い約8トンのゴミを下ろしました。それ以降『エベレストのゴミ問題はかなり解決した』とネパール山岳協会の会長からご報告を受け安堵していましたが。近年、エベレストは公募隊(いわゆる登山ツアー)が圧倒的多数を占め、その結果、エベレストの大渋滞やゴミ問題が再燃したとシェルパ達から連絡が入り。昨年の8月にアイスフォールの取り付きで清掃活動を行いましたが2日間で360キロものゴミを回収。しかし、問題は約8000mにある最終キャンプのゴミ」とつづった。

 「ネパールの山岳関係者から『もう一度、エベレストの清掃活動を長期的にやってくれないか』と。かなりリスクの高い活動になるので、今の僕にそれが出来るのか自問自答しています」と続けた。

 また、「特に登山シーズンは極めて危険なアイスフォールも大渋滞。清掃活動をやるのはいいのですが、それと同時にエベレストの入山者数を制限すべき。ゴミ問題だけではなくエベレスト登山の渋滞は極めて危険。渋滞で身動きが取れないまま、酸素がきれ、死亡したケースもあります。近年のエベレストは富士山と同じ状況です。世界最高峰が渋滞とは異常事態」と、アイスフォールでの大渋滞の写真も投稿。「これがエベレストで最も危険なアイスフォールでの渋滞。氷柱が定期的に崩れる恐怖のエリア。僕の親しかったシェルパたちの何人かがあのアイスフォールで命を落としています。僕がエベレストに挑戦していた頃にはこの光景はあり得なかった。エベレストの入山規制はもはや避けられないのではないか」とした。

 さらに「エベレストの最終キャンプ(約8000m)手前がこの渋滞。恐ろしいのはこの次の日にこの渋滞がそのまま山頂まで続いてしまうこと。山頂付近は両線が狭く、登る人と山頂から降りてくる人とで、詰まってしまうこと。つまり身動きが取りづらくなる状況。そんなタイミングで天候が急変したら大量遭難になる」と警鐘を鳴らした。

 ネットではこの衝撃的な画像に「命をかけるような場所が観光地状態ですね」「お互いの為ゴミ削減の為に絶対入山制限してほしい」「とても8000メートルの世界とは思えませんでした 大きな事故が起きないと変えられないでしょうかね…」「大勢で行くところでは無い」「外国人の入山料100万円位と聞きましたが、国別に人数制限するか入山料を1000万円位にするしか術が無さそうです」などの意見が上がっていた。

 エベレストはヒマラヤ山脈にある8848.86メートルの世界最高峰の山で、ネパールと中国・チベット自治区との国境上に位置している。ネパール側からの外国人の入山料は1人1万1000ドル(約174万円)。また、昨年3月にはネパールは全登山者にチップ装着が義務づけすると発表している。

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