◇世界スーパーバンタム級4団体タイトルマッチ 統一王者・井上尚弥<12回戦>IBF、WBO1位サム・グッドマン(2025年1月24日 東京・有明アリーナ)
世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31=大橋)が8日、IBF、WBO同級1位グッドマンとの防衛戦に向け、横浜市内の所属ジムで代表取材に応じた。当初は昨年12月24日に予定されていたが、挑戦者が来日直前に負傷したため今月24日に延期されていた。昨年末の朝練中に延期の一報を聞き「びっくりした」という井上だが「聞いて(気持ちを)切らさず頑張るだけだなと。延期になった時が残り10日前で、今はあっという間であと2週間の時期。代わらず調整は保っている」と充実の表情を浮かべた。
調整面でも影響はほぼ皆無だ。「調整は10日間ぐらい緩めた」と明かすが、ハードな練習を連日こなしていたため、体重が戻ることもなかった。昨年末から日本フェザー級王者の松本圭佑(大橋)や、元全米アマ王者ジャフェスリー・ラミド(米国)らとのスパーリングを行うなど年末年始も無休トレを継続。この日もラミドと6ラウンドのスパーリングを行うなど「この時期での延期は初めて。当日リングに上がってみないと何とも言えないが、今の時点ではもう最高に仕上がっている。延期があったから自分の中でもプラスに取り入れられたこともある。1カ月延びたことで感覚、イメージもしっかりと整えることができた。自分の中で凄くいい方向に捉えている」と表情は明るい。
来日直前のスパーリングで負傷したグッドマンの左目を“弱点”だと指摘。左目を狙うのか?という問いかけに対し「当たり前じゃないですか。勝負ですから。そこは一つ大きな弱点になる。プロの世界は甘いものじゃないよ、というところ。そこも一つ勝利の鍵になってくるところではある」とニヤリと笑い強烈な宣戦布告も忘れなかった。
昨年12月は前WBA世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(35=志成)の再戦に加え、WBO世界バンタム級王者・武居由樹(28=大橋)の世界戦が延期となるなど、トラブル続きの異例の年末となった。その中で「武居が中止、井岡選手も中止という中で、ボクシングファンはうずうずしている方もいると思う。2025年一発目の世界戦というのは自分の中ではファンの方にいいものを見せたいなというのはある」。“仕切り直しの一戦”を待つ視線が確かな自信を物語った。