広島の新人合同自主トレが8日、広島県廿日市市の大野練習場で始まり、ドラフト2位・佐藤柳之介投手(22=富士大)が自慢の柔軟性を披露した。大学1年時に左肩をケガして以降、入念にストレッチを行うのが練習前のルーティン。期待の即戦力左腕はドジャース・大谷級の柔軟性を強みに、プロでの土台構築に励み1年目からの活躍を目指す。
佐藤柳が隠れた“特技”を披露した。両手の甲を脇腹に当てたまま、肘を前に出す肩の内旋ストレッチを実践。胸の前で両腕がくっつくくらい広い可動域と、柔軟性を兼ね備えていることを示した。
「こういうの(肩の内旋ストレッチ)を大谷翔平選手がやっていて、中学に入るくらいの頃に、母親に“これやって”と言われて、やったらできた。体の柔らかさは自分の武器でもある」
ドジャース・大谷やプロゴルファーの石川遼など一流アスリートも行う肩甲骨周りのストレッチで体の柔らかさをアピールした。大谷も胸の前で両腕が触れるくらい可動域は広く、柔軟性も駆使してメジャーで活躍。しかし若き左腕も決して負けてはいない。幼少期に習っていた水泳の“副産物”。アマチュア時代から柔軟性にはたけていたが、ストレッチは大切にしてきた。
「前屈で胸はここ(膝)につきますし、ストレッチはやっている。しっかりしなさいと(子供の頃から)両親に言われていて、ずっと継続してやっていたので、筋肉がついて、体が大きくなってもできるのかなと思う」
大学1年時に左肩をケガして以降は、準備面でも工夫を凝らす。それは、キャッチボール前のストレッチからも垣間見えた。
「ローラーみたいなもの(ストレッチポール)で体をほぐして、インナー(ストレッチ)も入れている。ブリッジなども大学の時からやってきたので、継続していきたい」
肩甲骨周りだけでなく、全身の柔軟運動も取り入れている。ブリッジでは「山本由伸投手のYouTubeを参考にさせてもらっている」といい、自ら確立したルーティンを済ませてから、ドラフト3位・岡本とのキャッチボールに移った。
「自分は上から叩く投球フォームなので、肩周り、脇など(の筋肉)が硬いと腕が下がってくる。いい位置で投げないと、痛めることが大学生の時にあったので、そうならないようにやっている」
柔軟性は安定した投球フォームを構築する上でも重要なものになっている。「ケガをしないように、体をつくって、プロの体になれるようにやっていきたい」。既に一流の片りんを見せる大器。新人合同自主トレでも自慢の柔軟性に磨きをかけ、土台づくりに励む。(長谷川 凡記)