J2長崎は8日、本拠地のピーススタジアムで新体制発表会見を開いた。最大の目玉は昨年J1神戸の主将として連覇と天皇杯制覇に貢献し、完全移籍で加入したMF山口蛍(34)だ。「目標はJ1昇格。それ以外はない」と短い言葉に決意を込めた。
日本代表では14年と18年の2度、W杯出場を経験。豊富な運動量などを武器にけん引していた。昨年勝ち点1及ばずの3位で自動昇格を逃した長崎からのオファーを受け、昨年秋に開業した新スタジアムでフロント陣と面談。「J1に昇格しなければいけない」という熱意を感じ、J1主力の異例のJ2移籍の決め手になった。自身はC大阪時代にJ2を戦ったことがあるが、優勝の経験はなく、リーグの難しさも分かっている。「J2優勝も味わってみたい。昇格してJ1で長崎の勢いを見せられたら」と思い描いた。
神戸では各選手が「絶対に優勝するんだという気持ちが凄いものがあった」と明かす。「長崎は若い選手が多い。そういったところが大事」とメンタル面も含めて経験を伝えていく覚悟だ。チームは今月6日から始動しており下平監督からは「積んでいるエンジンが違う」と絶賛された。今年はクラブ創設20年の長崎。「しっかり90分間、攻守に走りきれる自信はある」と言った山口が歓喜をもたらす。 (杉浦 友樹)