ヤクルト・村上宗隆内野手(24)が8日、新人合同自主トレ初日を迎えた埼玉県戸田市の戸田球場を訪れ、サプライズ対面だったドラフト1位・中村優斗投手(21=愛知工大)らを大感激させた。既に球団にはポスティングシステムを使ったメジャー移籍を容認され、今季がラストイヤー。昨年12月に受けた右肘クリーニング手術のリハビリなどに努め、2月1日からの春季キャンプへ準備を進めた。
予想もしていなかった状況にルーキーたちは一様に面食らった。荷物を置くために選手寮内のロッカーに入ると、2軍施設を訪れていた村上がいた。新人合同自主トレが間もなく始まるというタイミングで「村神様」がサプライズで降臨。緊張は吹き飛び、モチベーションが一気にピークに達した。
ドラフト1位・中村優は約10カ月ぶりの再会だった。昨年3月に大学生ながら侍ジャパンのトップチームに選出され、強化試合の短い期間とはいえ村上とチームメートになった。同じユニホームを着る後輩として再び対面。「よろしくお願いします!」とあいさつすると、「これから頑張ろう」と優しく言葉をかけてもらった。
村上がいることは全く知らず「まさか会えるとは。本当にうれしかった。体も大きくてオーラがあった。自分もそういう選手になりたい」と感激しきり。今季終了後のメジャー挑戦を表明しているとあって「村上さんがいる間にしっかり1軍に上がって、村上さんが守っている中で投げたい」と声を弾ませた。
ドラフト2位・モイセエフ(豊川)は初対面。画面越しに見ていた超一流選手の体格に衝撃を受け、「自分の価値観での体の大きさとプロの大きさは違った。自分も大きい体で動ける体をつくっていきたい」と目を輝かせた。同4位・田中(健大高崎)も「うぉ~、すげ~」と驚き、「あれぐらいデカくないと一流にはなれないと感じた」と目を丸くした。
村上は例年なら1月は宮崎で自主トレ。昨年12月の右肘手術の影響で今年は関東に残ってリハビリメニューに取り組んでいる。だからこそ実現した奇跡の対面だ。少し離れた場所ではあったが、同じグラウンド内でノックを受けるなど1時間半の時間を共有し、プロ野球選手になった実感をかみしめていた。(重光 晋太郎)