J1新潟は9日、新潟市北区文化会館で今季の新体制会見を開いた。J2水戸のコーチから新たに就任した樹森大介監督(47)は「新潟史上最高へ」を目標に掲げ、リーグは6位、勝ち点は55以上を目指す決意を口にした。新加入選手8人もそれぞれ抱負を語り、一体感を持って新潟を熱く盛り上げていくチームづくりを誓った。
寒波の影響で、会場の周りは辺り一面銀世界。その降り続く雪を溶かすかのように、Jクラブのトップチームで初の指揮を執る樹森監督は情熱を込めて目標を口にした。
「目標を選手たちに伝えた。“新潟史上最高へ”という言葉をかけた。いろいろな思いがあって、選手のキャリアの中で自分史上最高成績にしてほしいという思いも込めて、そういう言葉をかけた」
意識したのは新潟のこれまでの最高成績。J1の順位では07年の6位、勝ち点では13年の55を「一つの目標にしたい」と強調した。加えて天皇杯ベスト8、ルヴァン杯準優勝というカップ戦でも更新を狙いにいく覚悟だ。
午前のミーティングで選手に新潟史上最高成績を聞いてみると、DF舞行龍から「6位」という答えが返ってきた。「とっさに出てこないと思っていた。新潟を愛する選手は凄い思いを持っている」とうれしそうに話した。
13日から始まるキャンプでは3週間で戦術を落とし込み、残り2週間を調整に充てて、開幕を迎える考えだ。システムはこれまで同様4バックを想定しつつ「3枚にもチャレンジしたい」と、選手の特長を踏まえて最適な形を模索していく。一方で、戦術だけではなく「まとまりが大事」と強調。期限付き移籍からの復帰も含めて今季は約4割の選手が新しく加わっただけに、チームを同じ方向に向かせることに注力する。
J1初挑戦の新人監督として重圧はもちろんある。それでも「選手の特長を生かすも殺すも監督次第。未知数の監督が来た、と周りは見ていると思うけれど、新潟旋風じゃないが、いい準備をして開幕から勝ち点を積み上げられるようにと強く思っている」。開幕まで1カ月強。その手腕に期待がかかる。(西巻 賢介)