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照ノ富士 事実上の出場宣言「後はやるだけ」 両膝のケガ、糖尿病との闘い経て3場所ぶりに

スポニチアネックス 2025年1月10日 4時31分

 大相撲の横綱・照ノ富士(33=伊勢ケ浜部屋)の初場所(12日初日、東京・両国国技館)出場が9日、濃厚となった。6日の稽古総見から調整のペースを上げ、この日は東京都江東区の部屋で幕内・錦富士(28=同)らと9番取って全勝。稽古後には明言はしなかったものの、3場所ぶりの出場に意欲を示した。琴桜、豊昇龍のダブル綱獲りが注目される中、完全復活を示す舞台が到来した。きょう10日に取組編成会議が行われる。

 たっぷりと汗をかいた照ノ富士が自らを鼓舞するように話した。「後はやるだけ。それで駄目だったら駄目で、結果がどうなろうと認めるしかない。自分の中でやれることをやってきた」。事実上の出場宣言は復活に懸ける第一人者の決意の表れでもあった。

 6日の稽古総見では大関・大の里と三番稽古、8日の時津風一門連合稽古でも正代に11戦全勝。場所前にほとんど稽古ができなかった先場所とは違って精力的な調整が目立つ。この日は幕下力士に胸を出して体の動きを確認し、元学生横綱の幕下・草野を指名して5番、錦富士とは4番取り全勝だった。左上手を引いての力強い寄りに加え、寂しさもあった上半身にも厚みが増してきた。出場に関しては「何で毎日そういうことを(聞くのか)」といら立ちを隠さないが、表情は終始穏やか。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)も「本人が“やる”と言ったら、それは尊重してあげないと。出るなら結果を残すようにしてもらわないといけない」と話した。

 昨年は15日間皆勤が優勝した2場所にとどまり、冬巡業中には「(24年は)全然駄目。体調を維持できないのはプロとして失格」と反省のコメントを並べていた。両膝のケガ、糖尿病との闘いは過酷だが、数々の修羅場を克服した男が復活への手応えをつかんだとあれば主役は譲れない。一人横綱は史上2番目に長い20場所目。最高位を目指す琴桜、豊昇龍の前で仁王立ちするシーンが現実味を帯びてきた。(黒田 健司郎)

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