楽天は9日、本拠の楽天モバイルパークで新人合同自主トレをスタートさせた。5球団が競合したドラフト1位の宗山塁内野手(21=明大)は三木肇監督(47)ら首脳陣が視察する中、ノックなどで軽快な動きを披露。休憩中は自家製ドリンクで喉を潤し、野手歴代最年長の46歳に迫る45歳までの現役生活を目標に掲げた。
プロ野球選手として迎えた初日、宗山は「1年間プレーすることを続けて、45歳くらいまで現役を続けていきたい」と果てしない未来像を描いた。
室内練習場でのノックやマシン打撃では、噂にたがわぬ軽快な動きを披露した。新人選手の持久力を測る恒例のシャトルランは105回止まりで「150回と言っていたんですけど…」と悔しそうな表情も見せたが「身のこなしも凄く華麗。早くユニホームを着て動いている姿を見たい」と視察した三木監督をうならせた。
水は常温でしか飲まないなど、新人らしからぬプロ意識を持ち、休憩中は赤い特製ドリンクで喉を潤した。糖質とアミノ酸をブレンドしたもので、練習や試合の前に必ず飲むという、ポテンシャルを最大限に引き出してくれる「超神水」だ。明大2年の冬。日によってコンディションに差を感じ「取り入れるものを気にすれば、長くプレーできるんじゃないか」とYouTubeや本から独学で知識を得て、息の長い選手目指して完成させた。
「動くためのエネルギーとアミノ酸が入っているので回復が早くなります」と説明。味については「ビーツと、糖質がバナナのような味がする。何味かはよく分からないですけど…」と苦笑いしたが、血圧正常化や血液循環を促進し、スーパーフードともいわれるビーツも含有。「筋肉を増やしていくことを意識している」と栄養バランスを考えた食生活を送っている。
球史に残る大打者の野村克也、落合博満らは宗山の掲げた45歳までグラウンドに立った。「プレーをするために必要な体力を使って1年間戦っていかないと」。気温約2度。雪が舞った杜の都で、スター候補生が「令和の鉄人」になることを誓った。(花里 雄太)
≪野手最年長出場は中嶋聡の46歳≫プロ野球の野手最年長出場は15年中嶋聡(日)の46歳。2試合に捕手として出たが、打席はなく、最終出場となった10月1日ロッテ戦で46歳6カ月だった。打席に立った野手では57年岩本義行(東映)の45歳5カ月が最年長で、この年15試合に出場した。他に45歳シーズンの出場野手は80年野村克也(西)、98年落合博満(日)、13年山崎武司(中)、15年谷繁元信(中)、22年福留孝介(中)の5人。うち最多出場は落合の59試合で、打率・235、2本塁打、18打点だった。なお、プロ野球最年長出場は15年山本昌(中=投)の50歳1カ月。
▽超神水 漫画「ドラゴンボール」に登場するアイテム。飲む人の力を何倍にもするといわれた「超聖水」が実はただの水だったことに対し、「超神水」は隠れ持っている潜在能力を引き出すことができるとしてカリン塔の神殿で保管されてきた。主人公・孫悟空はピッコロ大魔王を倒すためにこの水を口にし、強い生命力と精神力で強い毒性にも打ち勝って覚醒した。