ラグビーリーグワンの神戸は10日、相模原戦(12日・相模原ギオンスタジアム)の先発メンバーを発表した。23年のW杯フランス大会日本代表SO李承信(23、リ・スンシン)にとっては神戸での公式戦50試合目となる一戦になる。相模原には兄のHO承ヒョ(25)も在籍し、そろって先発出場する。承信は節目の試合を前に、強い意気込みを示した。
「自分のラグビー人生のすべて、ここまで来ることができたのも、このチームのおかげですし、チームを代表してジャージーを着ることができることを本当にうれしく思います。(神戸での公式戦50試合目は)数字は意識していなかったのですが、振り返ってみると、本当に早かったなと思います」
大阪朝鮮高卒業後は帝京大に進学したものの、中退。より高いステージを目指し、20年9月30日に神戸入りした。神戸に育ててもらった恩義は強く感じている。元ニュージーランド代表ロックのブロディ・レタリック(33)とともに共同主将を務める今季。悲願のリーグワン初優勝へ、並々ならぬ思いを背負ってピッチに立っている。
昨年12月21日の開幕節・静岡戦は惜敗。李自身は右耳を裂傷し、17針を縫うけがを負った。右耳付近には今も痛々しい傷あとが残っている。「腫れもあって、ちょっと聞こえにくい部分はあります。コンタクトプレーでは痛みはもちろんありますが、言い訳せずにプレーしたい」。万全とはいえない状況だが、発する言葉にはチームを背負う強い覚悟がにじむ。
今季はここまで1勝2敗の勝ち点7で6位につける。勝利だけが求められる相模原戦。「兄とは切磋琢磨(せっさたくま)してきた仲なので、50キャップという試合で対戦できるのは本当に幸せです。感謝の気持ちが一番強いですね」。試合の翌日は24回目の誕生日を迎える。兄弟対決を制し、今後の戦いに弾みをつけたい。
◇李 承信(リ・スンシン)2001年(平13)1月13日生まれ、兵庫県神戸市出身の23歳。4歳から兵庫県RSで競技を始める。大阪朝鮮高卒業後は帝京大に進学も中退。より高いステージを目指し20年9月30日にリーグワン神戸入り。代表歴はジュニアジャパン、U19日本代表。22年6月25日のウルグアイ戦で初キャップ。日本代表キャップ18。1メートル76、85キロ。SO。