全国高校サッカー選手権はきょう11日、東京・国立競技場で準決勝2試合が行われる。東福岡は第1試合で前橋育英(群馬)と対戦。1回戦から4試合全て無失点の堅守で、9大会ぶり4度目の優勝へ王手をかける。第2試合は17大会ぶり2度目の頂点を狙う流通経大柏(千葉)と初出場の東海大相模(神奈川)が激突する。
新生・東福岡が決勝の切符をつかみ取る。4日の準々決勝から中6日。地元・福岡で心身をリフレッシュした選手たちは10日、都内で最終調整した。県予選からここまで7試合で無失点。強力な攻撃陣を擁する前橋育英に対しても、守護神のGK後藤洸太(3年)は「声をかけ合って集中が切れないように。しっかり無失点に抑えたい」と失点ゼロの継続を誓った。
攻撃的なスタイルがチームの伝統だったが、23年12月に就任した平岡道浩監督(47)は守備からチームづくりに着手。素早い帰陣と体を張ったシュートブロックを徹底し、堅守を構築した。1回戦から決勝まで6戦無失点で優勝なら、99年度の市船橋以来2校目。指揮官は「手堅いサッカーをしたかった。実現してくれた選手たちが素晴らしい」と目を細める。
一方で、攻撃陣は4試合3得点と物足りなさが残る。1大会で6試合戦った優勝校の最少得点は、20年度の山梨学院の8得点。9大会ぶりの頂点に立てば、珍記録も生まれるかもしれない。 (坂本 寛人)