昨年10月29日にニューヨークのヤンキースタジアムで行われたワールドシリーズ(WS)第4戦で、ドジャースのムーキー・ベッツ外野手(32)から打球を“強奪”したヤンキースファン2人が、大リーグの全球場に無期限出入り禁止となった。AP通信などが10日に報じた。
事件が起きたのは第4戦の初回。ヤ軍トーレスが放った右翼ファウルゾーンへの飛球をベッツが追い、スタンドまでグラブを伸ばしてキャッチした際に、観客席最前列にいた男性ファンの1人がグラブをこじ開けてボールを奪い取り、もう1人の男性がグラブをはめていない方の手をつかんだ。守備妨害でトーレスはアウトとなり、2人は即座に退場させられて同球場で行われた第5戦への入場も禁じられた。2人はシーズンチケット保有者と報じられていたが、ヤ軍は10日、否定した。
MLBの役員は今週初め、ファン2人に「無期限出禁」を文書で通達した。2人がMLBの施設やイベントで発見された場合、不法侵入で逮捕される可能性がある。AP通信が入手した文書には「あなた方は故意に、力づくで選手をつかんでプレーを妨害した。あなた方の行為は選手の健康と安全に重大なリスクをもたらし、許容されるファンの行動範囲をはるかに逸脱していた」と記されていた。
そして「あなた方の行為を受け、MLBは全ての球場、オフィス、およびその他の施設からあなた方の出入りを無期限に禁止します。また、MLBが後援または関連するイベントへの参加も無期限に禁じます。発見された場合は敷地から退去させられ、不法侵入で逮捕される可能性があることをご了承ください」と通達した。
初戦から3連勝で迎えたド軍はこの試合に敗れたものの、4勝1敗でWSを制覇。ベッツは後日、“暴挙”のファンに「ボールを投げつけてやろうかと思った」と振り返っている。