◇バレーボール 全日本高校選手権第4日 共栄学園3―1就実(2025年1月11日 東京体育館)
準決勝が行われ、12年ロンドン五輪銅メダリストの大友愛さんの長女、秋本美空(みく、3年)擁する共栄学園(東京)が3―1で昨年優勝の就実(岡山)を下し、決勝に進んだ。19大会ぶりの優勝を目指す。
エースで主将の秋本がチームを決勝へと押し上げた。セットカウント2―1で迎えた第3セットの20―20の勝負どころ。マークされながらもセンターから相手のブロックを破って21点目を奪った。相手エースとの壮絶な打ち合いを制し、42得点の大暴れで勝利へとけん引。「楽しかった。去年優勝した学校に、自分たちのコンビバレーで勝つことができて凄く良かった」と笑顔で振り返った。
日本代表でミドルブロッカーだった愛さんを母に持つ。1年時の23年には16歳で日本代表登録メンバーに選ばれた逸材だ。最上級生となって自身初めての主将に就任。中村文哉監督(37)によると元々「おっとり」した性格だったというが、チームを引っ張るために自らが変わった。「自分ができていないのに人に言うのが好きじゃない」と、率先して練習や声がけを行うようになった。
この日も実は筋肉痛を抱えながらのプレーだった。それでも、影響を感じさせない両チーム最多得点。指揮官は「本気で飛んでいたけど、本当はもっと(到達点が)高いと思う。でも踏ん張りましたよね」と称えた。
05年度大会以来、19年ぶり3度目の優勝に王手をかけた。「絶対に優勝して、いい結果で終わりたい」。最後まで先頭に立ってチームを引っ張るつもりだ。
◇秋本 美空(あきもと・みく)2006年(平18)8月18日生まれ、神奈川出身の18歳。小2で競技を始め、東京・共栄学園中を経て共栄学園高3年。U18、19、20と各年代で日本代表に選ばれ、23年には16歳で日本代表登録メンバーに選ばれた。ポジションはアウトサイドヒッター(オポジット)で最高到達点は301センチ。1メートル84、68キロ。