俳優の渡辺謙(65)が、11日放送のNHK「土スタ」(土曜後2・05)にVTR出演し、女優・倉科カナ(37)が主演する同局BSプレミアムドラマ「TRUE COLORS(トゥルー カラーズ)」(日曜後10・00)の撮影秘話を語った。
10代からカメラマンを目指して上京し、トップフォトグラファーとして活躍する海咲(倉科)が、目に重大な病気が見つかり挫折する物語。海咲が故郷の天草に帰った際、偶然に再会した母の再婚相手・多一郎を渡辺が演じた。2人の間には埋められない溝があり、海咲が故郷を捨てたのも多一郎との関係が理由だった。
渡辺は「多感な高校生の時期に、母と亡き父と、現れた男と…という中で、彼女の立場からするとよく分かるなという感じなんですけど。やっぱり、僕の立場としては助けてあげたいという気持ちがある。すれ違っているということですよね」と、2人の関係性を解説した。
番組にゲスト出演した倉科へのメッセージとして、渡辺は撮影前の本読みでのエピソードを語った。「最初にメーンどころだけ集まって本読みをしたんですね。その時は僕はちょっと不遜だったんですけど、ごあいさつもせず、一言も会話せず、ちょっと嫌なやつだったと思います」。賀来千香子や加藤雅也ら、他の共演者とはあいさつや会話などをかわしたが、倉科とは一切、会話しなかったことを告白。「すごい嫌なやつだったと思いますよ。ただ、そういう関係性からスタートした方がいいと思いましたよ。ベースにずっと彼女の歴史があるもんですから、その歴史を壊さないように倉科君とは出会いたいなと思っていて」と振り返った。
渡辺の感触では「そういう意図を彼女もくんでくれて、役者としての距離感というのをきちっと作りながらやらせていただいた」といい、「それがうまくシーンに乗っかっていればいいと思います」と願いを口にした。
渡辺との距離感について、倉科も制作サイドにリクエストしたことがあったという。「実は、私も何なら読み合わせをしたくないと。謙さんとお会いしたくないと、わがまま言って。謙さんとのシーンは読み合わせはしていないんですけど」。それだけに、「お互い同じ意識だったというか」と驚いた。渡辺の告白にも「私自身もちょっと嫌なやつだったので、謙さんの気持ちは凄く分かります」と話していた。