将棋の藤井聡太王将(22)=7冠=に永瀬拓矢九段(32)が挑戦するALSOK杯第74期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負の第1局が静岡県掛川市の「掛川城二の丸茶室」で12日から始まるのを前にした11日、同市内で永瀬が前日会見に臨んだ。
会見での一問一答は以下の通り。
――王将戦があす開幕
「11月に挑戦権を得ましたが、その間対局が少なかったのは気がかりでした。対局がないと自分のコンディションがどうなのか分からないので…藤井王将はどんな状態でも素晴らしい将棋を指されますので、良い将棋を指すしかないかな?と思って準備をしてきました。自分のコンディションとしては公式戦を増やしていかないとコンディションが見えない部分がある」
――2日制で藤井と戦うのは初めて
「やってみると全然違うかな?という気持ちもある。私自身、2日制が2回目ということもありますので経験ができていない。その点も手探りになってしまうのですが、藤井王将は近年2日制の経験値が凄まじく高くなっている。その辺りも大きいかと思いますが、やはり藤井王将とは2日制を指したいと思っていた。昨年行われた竜王戦などタイトル戦を拝見していますが、見ているのと自分が指すのは違うと思いますので…そこは分析しながら対局をしていきたい」
――タイトル戦での対決は4度目。過去3度の1日制のタイトル戦前とは、何か違うところはある?
「藤井王将がどういう気持ちで対局に向かわれてるかを、前回の王座戦でなんとなく理解できた。そこは自分のものにしながら、精神的な部分も見習って良い形にしていきたい。王座戦は結果は振るいませんでしたが、収穫としてはかなり大きかったので、それを活かしたい」
――2日制に向けた準備はどのようなことをした?また、藤井と2日制を戦った棋士からアドバイスなどは受けた?
「実際にやってみないと分からないところがあるのですが、一応封じ手の書き方などは調べてイメージしてきたので、それが対策かもしれません(笑い)最近ですと藤井王将と2日制を戦われた棋士は周りに伊藤(匠)叡王、(佐々木)勇気八段がいますが、特別アドバイスをもらったということはない。藤井王将に2日制でタイトルを奪った棋士はいませんので、アドバイスが有益であれば教えてもらいたいですけど、本人たちも有益かどうか分からないから、話してないのかな?と思います。その点では、誰かが突破口を開かないといけない。ですが突破口を開く上で、現実として藤井王将が2日制を一番経験されており、ハードルが高いのは現実としてある」
――対局場を見て
「前回(第70期王将戦)の第1局もこちらだったので、この地に戻ってくることができたと実感が湧きました。対局場はとても素晴らしいという印象がありましたし、実際2度目に来ても素晴らしい。ですがあすは冷え込むことが見込まれますので、しっかり対策をして対局を万全に挑みたい」
――掛川の印象
「掛川の印象はお茶が美味しい印象と、前回こちらに伺った時にはフレッシュジュースをたくさんいただいたと記憶しています。今回のメニューにも紅ほっぺ、キウイのフレッシュジュースがありましたので、そちらを大量にいただくのが楽しみです。どのタイトル戦もおいしいものをご用意いただくのですが、やはりこちらのフレッシュジュースは格別でとてもおいしい。飽きるほどという言い方が正しいのか分かりませんが、堪能したい」