将棋の藤井聡太王将(22)=7冠=に永瀬拓矢九段(32)が挑戦するALSOK杯第74期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負の第1局が静岡県掛川市の「掛川城二の丸茶室」で12日から始まるのを前にした11日、同市内の「掛川グランドホテル」で前夜祭が行われた。
関係者やファンら約200人が来場。万雷の拍手で迎えられた両対局者は、それぞれ熱く意気込みを語った。掛川で指すのは今回が3度目で、前回は23年に羽生善治九段(54)と対局。その際、掛川城の天守閣は大規模な工事をしていた。工事は対局の数ヶ月後に終わり、藤井は今回初めて掛川城の天守閣を見ながら対局をすることになる。藤井は「天守閣の工事も終わり、きれいな姿を臨むことがました」と笑顔。「今期は永瀬九段との7番勝負で、2日制で戦うのは初めてで楽しみ。深く読みを入れて、内容のいい将棋が指せるようにしたい」と意気込んだ。
対する永瀬は4年前、第70期王将戦に登場し渡辺明九段(40)と対局。掛川では全てのおやつでフレッシュジュースを頼み、1回でジュースを“ダブル”で注文するなどし、注目を集めた。当時を振り返り、「掛川はお茶、そしておいしいフルーツが楽しみ」と話し、「フレッシュジュースをいただけるのはなかなかないので、楽しみたい」と語った。今シリーズに向けては「藤井王将と初めての2日制。一生記憶に残る番勝負にしたい」と力を込めた。