テニスの4大大会開幕戦、全豪オープン(メルボルン)は12日にメルボルンで開幕する。大会には元世界ランキング4位で現74位の錦織圭(35=ユニクロ)が4年ぶりに出場。過去4度、準々決勝進出を果たしている得意の舞台で、完全復活が期待されている。
大会を全日程生中継する衛星放送局のWOWOWでは、このほど錦織のインタビューを実施。開幕日の12日にはさっそく世界106位で予選勝者のチアゴ・モンテイロ(ブラジル)との1回戦を控えており、自身のコンディションや大会の展望を語った。
――4年ぶりの全豪オープンですが、どのような気持ちですか?
「グランドスラムに帰ってきたなという感じですね。この大会自体も4年ぶりになるので、“久しぶりだな”という気持ちもありますけど、慣れ親しんだ場所ではあるので“久しぶりだな”とは思わないような気もします」
――昨年の木下グループジャパンオープン、ATPチャレンジャーヘルシンキ、そしてATP250での香港の快進撃と、過去の復帰と比べてスムーズに復帰できている印象ですが、何が上手くいっているのだと考えますか?
「(復帰に)時間はかかりましたけどね。去年(3月)の(ATP1000)マイアミから試合に出て、そこからずっとケガとの闘いでもありました。なかなか練習もトレーニングもできず、でも試合には出ないといけない、出たい。で、試合に出たら、少し(ケガが)再発して、休まないといけなくて、苦労はしました。去年の夏ぐらいから感覚を掴んだのがきっかけで、右肩上がりにはなってきました。その中でも葛藤がありながらも、11月のチャレンジャー(ATPチャレンジャーヘルシンキ)も最高(のコンディション)ではない中で優勝することができたり、そこまで自信がない中でも(ATP250)香港の決勝にいけたりと、順調にはきているかなとは思います。またもう一歩上がれるようには頑張りたいですね」
――復帰して、「試合を行う」感覚というのは掴めているのですか?
「今は大丈夫ですけど、やっぱり時間がかかるなと思いました。ほぼ2年間試合に出ていなくて、簡単にはいかないだろうなとも思っていました。周りを見ても、復帰をしたとしても帰ってこられない選手もいましたし、自分と比べながら“自分はどこまでできるんだろう”という不安もありながら戦っています。もちろん中にはフェデラーのように、すぐいつもの自分に戻ってこられる選手もいますけど、なかなか今回はそうはいかなかったです。自分の中でのメンタルと身体との闘いは、結構闘った方だと思いますね」
――ATP250香港ではサーブが非常に良かったという印象です。
「そもそも肩が良くなったというのはあります。ずっと肩が痛くてサーブを打てていなかったので。その中でストロークで騙しながらやっていました。サーブも少しずつ変えながら、だいぶスムーズに型についてきたなと思います。先週(ATP250香港)はちょっと速かったので、フリーポイントをサーブで取ることができ、その分ストロークに余裕を持ってプレーできました。ここも速いのは速いですけど、サーブが簡単に決まらないところでもどれだけフリーポイントが取れるかは、自分のリターンゲームへのリズムにとってすごく重要です。サービスゲームで、40―0、40―15でとれるゲームが沢山積まれることによって、自分のプレーに余裕や幅が出てくるのかなと思います」
――オフシーズンはどのように過ごしましたか?
「テニスはもちろん休みましたけど、精神的にそこまで疲れていなかったですし、意欲もあったので、トレーニングに時間を注いで重点的に身体をつくることができました。約3週間、日本とアメリカの両方でしっかりテニスもできました。テニスを変えることはなかったですが、年末よかった感覚を落とさないように意識しながら練習していました」
――どのような目標を持って今シーズンを迎えていますか?
「もうちょっとプレーが良くなってきたら、かなり良いなとは思います。今も十分良いんですけど、8割くらい。まだ試合の中で自信が持てず下がってしまうことがあるので、それをなくしたい。(ツアー)大会優勝とランキングを50位や30位に上げていければ、また違った世界があると思う。気持ち的にももっと強気にいけるのではないかなと思います」
――意気込みを教えてください。
「今回の全豪は久しぶりなので、なるべく緊張しないこと。まずは1回戦ですね。香港でのような攻撃的な良いプレーを心がけて思いっきりできたら良いなと思います」