◇全国高校サッカー準決勝 流通経大柏1ー0東海大相模(2025年1月11日 国立)
準々決勝までの3試合で15得点を量産した自慢の攻撃は影を潜めた。流通経大柏は立ち上がりからリズムがつかめず、得点は前半42分にMF柚木がPKで決めた1点だけ。就任5年目の榎本雅大監督(46)は「最低の試合はせず、最低限の試合をする。トーナメントで負けないサッカーにシフトした成果が出た」とうなずいた。
攻撃が目立つが、今大会4試合1失点と守備も堅い。Jリーグで歴代GK最多の通算666試合に出場した南雄太氏が昨年3月にGKコーチに就任。ラインコントロールや、ゴール前でのこぼれ球への対応などを強化してきた。6月の総体県予選決勝で敗退後はトーナメント方式の大会に積極参戦し「勝ち」よりも「負けない」試合運びを追求。守備を統率するDF奈須は「プロ経験の豊富な方の言葉は説得力が違う。チームとしての守備の共通理解が格段に上がった」と強調した。
決勝で激突する前橋育英は17年度大会決勝で敗れた因縁の相手。今季公式戦は1勝1敗で、スコアも○2―0、●0―2と互角だ。DF佐藤主将は「自分は小学生の時にその試合(17年度大会決勝)を見て流通経大柏に行きたいと思った。先輩たちの敵を取りたい」と力を込めた。8年越しのリベンジを果たす最高の舞台が整った。
≪同カードで7大会ぶり関東決戦≫決勝の関東勢(1都7県)対決は7大会ぶり9度目。直近の17年度も今回と同じ前橋育英―流通経大柏だった。当時は前橋育英が1―0で勝利し、県勢初優勝を果たした。また、決勝に限らず、選手権での群馬対千葉は過去6度あり3勝3敗の五分。そのうち前橋育英と流通経大柏は前出の決勝含め3度対戦し、前橋育英が2勝1敗となっている。