広島・大瀬良大地投手(33)が12日、マツダスタジアムに隣接する室内練習場で自主トレを公開。昨季はチームの失速とともに自身も9月以降は5戦3敗と低迷した。今季は“ノーモア失速”を期し、例年は3勤1休だった自主トレを今年は6勤1休に変更。練習メニューも変化を加えている。2年ぶり6度目の開幕投手にも意欲。あと1勝でマツダスタジアム通算勝利数が歴代単独最多となる鯉のエースが、開幕星を見据える。
大瀬良は今でも昨季終盤の失速に責任を感じていた。「オフもずっと(悔しさが)こびりついて離れませんでした」。既に25年がスタート。同じ轍(てつ)を踏まない。そのためにも新たな取り組みに本格着手していることを明かした。
「休んでいる暇はないと思い、体を動かさなきゃと気持ちも駆り立てられた。(昨季はシーズン通して)90~100%の力で投げていたが、(今季は)70~80%の力で平均的に投げることができたら、最終盤まで余力を残したまま戦えるかなと。これまでとは全然違う取り組みをしている」
既に元日から始動して、肉体強化に励んでいた。6勝6敗だった昨季は3年ぶりに規定投球回に到達し、キャリアハイの防御率1・86をマーク。しかし、チームの失速とともに9月以降は自身も5試合で0勝3敗、防御率4・81と結果を残せなかった。その教訓を糧に、今季はシーズン終盤まで余力を残したい狙いがあり、自主トレから変化を期す。
「最大筋力というか、重量をまずは上げられるようにしようというところ。いろんな種目、いろんな動きをすることで、いろんな刺激を体に与えている」
例年は3勤1休だったオフの練習を6勤1休に変更。また、球団トレーナーが作成したメニューを基に、下半身、上半身、パワー系とテーマを変えながら毎回十数種類のトレーニングに取り組んでいる。「一度で覚えられないくらいある」。タブレット端末を駆使し、スタミナ強化へ向けたメニューを消化する日々が続いている。
「僕たちの年代の人間も、あらがって。負けたくないなという思いもある。だからこそ、(開幕のマウンドに)立ちたい」
開幕投手に意欲を示す鯉のエースは、マツダスタジアムでの通算勝利数が目下45勝。あと1勝で歴代単独最多となる。「せっかくなら1位になりたい。一個でも多く勝利を積み重ねていきたい」。3月28日の開幕戦は本拠地で阪神と激突。2年ぶり6度目の大役を射止め、さらに開幕星で勢いづきたい。 (長谷川 凡記)