走攻守の3拍子だけではなさそうだ。5球団競合の末、楽天に入団した宗山塁内野手(明大)と、4球団競合で中日に入団した金丸夢斗投手(関大)の新春対談を取材した。
写真撮影も含め、約1時間の長丁場。お互いの第一印象を聞いた際に宗山は「何回か会って話すまでは真面目そうといわれる」と話した。記者もこの日で対面するのは3度目。たしかに、端正なマスクも相まって「真面目そう」というイメージを抱いていただけに、この日の対談はいい意味で裏切られた。
お笑い好きという二人。自身はボケかツッコミか、という話題に宗山は「人と話している時に細かいミスが気になって、指摘するのでツッコミ」と明かした。金丸から「自分の世界があって、けっこう宇宙人だよね」とイジられると、返す刀で「金丸はスカしてる」とピシャリ。動画撮影を並行して行っていたが、あまりの切れ味に、記者の大きな笑い声が入ってしまい、編集に支障をきたしたのはここだけの話だ。
幼少期に野球を始めた際、父の伸吉さんと「毎日練習する」ことを約束し、10年以上欠かさず、バットを振り、白球を追ってプロへの道を切り開いた。確かに野球に関しては「真面目」といえるのかもしれない。ただ、取材においては通りいっぺんの、ただただ真面目な答えが返ってくるわけではない。
昨秋の早大との優勝決定戦前には「キーマンは自分」と宣言。先日の新人合同自主トレ初日には、いつ頃まで野球をするイメージか問われ「45歳ぐらいまで」と新聞において「見出し」を飾るような言葉をサラッと話してくれた。突拍子もないことを言う、いわゆるビッグマウスではなく、絶妙なラインを突いてくる点にセンスの良さを感じている。グラウンド上のプレーだけでなく、発言の一つ一つにも耳をそばだてようと思う。(記者コラム・花里 雄太)