Infoseek 楽天

佐々木朗希余波でドミニカ共和国指導者がMLBに25歳ルール改正を提案 中南米選手の契約に影響続出

スポニチアネックス 2025年1月13日 14時52分

 ドミニカ共和国メディア「Z101」のヘクター・ゴメス記者が12日(日本時間13日)、ロッテからポスティングシステムでメジャー移籍を目指す佐々木朗希投手(23)の争奪戦の影響を受けている同国の指導者が大リーグ機構(MLB)に「25歳ルール」の改正を要望していると自身のXに投稿した。

 米野球専門誌「ベースボール・アメリカ」は11日、25歳未満の海外選手獲得への「国際ボーナスプール」が更新される15日(同16日)以降にドジャースと契約予定だったドミニカ共和国出身の遊撃手ダレル・モレルが、一転してパイレーツと約180万ドル(約2億8400万円)で契約する見込みになったと報じた。ド軍がロッテ・佐々木獲得のために、同プールの予算枠を空ける狙いとみられる。また、佐々木の獲得を狙う球団が中南米との有望選手との契約を延期する例も相次いでいると、ベネズエラ出身でコロンビアに拠点を置くジャーナリスト、マルコス・グランフェルド氏が報じている。

 ゴメス記者は自身のXに「ドミニカ共和国の野球指導者たちは、佐々木朗希のようなプロ野球選手を国際アマチュア選手向けの予算から除外するようにMLBに提案している。これは、彼らの契約がドミニカ共和国や他のラテンアメリカ諸国の有望株との契約に影響を与えないようにするためだ」と投稿。また、同メディアでは「国際独立野球協会(AIBI)がニューヨークのMLB事務所、ドミニカ共和国のMLB支社、そして30のMLB球団に送られた書簡を通じて行われた」とも伝えた。

 「25歳ルール」は、MLBドラフトの対象となる米国、カナダ、メキシコ以外のアマチュア選手獲得に関するルールで、国際選手はマイナー契約しか結ぶことができない。契約期間は例年1月15日から12月15日まで。各球団は割り当てられたボーナスプールの中で、複数の選手と契約を結ぶ。25歳未満の海外選手との契約は、米東部時間15日午前9時(同15日午後11時)に再開。佐々木の交渉期限は米東部時間23日午後5時(同24日午前7時)までとなっている。

 また、ゴメス記者は「佐々木朗希の争奪戦は、MLBが国際アマチュアFAを扱う方法を変える可能性がある。各チームは、毎年の契約クラスで利用できるボーナス資金に限りがある。そして、その資金は、チームが国際的な有望株と合意に達し、彼らが16歳になった時にその合意を正式なものとするため、何年も前から計上されていることがよくある。しかし、佐々木はこのシステムを覆した。チームは彼がこの冬にポスティングされるかどうか確信が持てず、ポスティングされた後も、どの国際契約期間に該当するのか不明だった。つまり、彼らは事前に財政計画を立てることができず、彼が利用可能になった途端、彼を獲得するために十分な資金を確保するために、以前の契約を取り消さなければならなくなった」と佐々木を巡る混乱を説明した。

 続けて「これはすでにドジャースを含むいくつかのチームに影響を与え、現在のサイクルで最大の国際的な有望株との契約を失うことになった。また、ドミニカ共和国のような場所でも混乱を引き起こしており、有望株や彼らのキャンプは一夜にして資金が消えるのを見てきた」とつづった。

 しかし、佐々木の例は特例であることも強調。「佐々木が受け取る金額は、以前にそのチームと契約することに同意していた選手たちの懐から出て行くことになるため、ドミニカ共和国のトレーナーたちが佐々木を別の方法で扱ってほしいと考える理由は明らかだ。しかし、実際にこのような変更を実施するのは言うは易く行うは難しく、佐々木のような選手は唯一無二の存在であるという事実を無視している。このような才能を持つ選手が、数百万ドルを諦めて数年早くアメリカに来ることは稀だ」とした。

 MLBへの要望については「MLBが耳を傾け、迅速に行動を起こす可能性もあるが、このスポーツの最大かつ最も影響力のあるフランチャイズのいくつかが混乱に陥っており、誰もが苛立っているようだ。しかし、より可能性が高いのは、誰もがこの嵐を乗り越えなければならず、変更があるとすれば早くても次の冬になるということだ」と今オフには実現しない見通しだとした。

この記事の関連ニュース