◇全豪オープンテニス(2025年1月13日 メルボルン)
女子テニス世界ランキング50位の大坂なおみ(27=フリー)が13日、今季4大大会初戦の全豪オープン(12日開幕、メルボルン)の初戦で昨年に続いて世界ランク58位のカロリーヌ・ガルシア(31=フランス)と対戦。6―3、3―6、6―3のフルセットの激闘を制し2回戦に進出した。初戦突破は2度目の優勝を果たした翌年となる22年以来3年ぶりとなる。
昨年の1回戦でストレート負けを喫したガルシアにリベンジを果たした。4歳年上で同じ10月16日生まれという“因縁の相手”とは過去2勝2敗。腹部の痛みで前の試合の決勝を途中棄権した影響を感じさせないプレーで全豪のセンターコート「ロッド・レーバー・アリーナ」に集まった観衆を魅了した。
相手のサービスから始まった第1セット。第4ゲームまでキープで迎えた第5ゲームをバックの角度のあるパッシングを決めるなどでブレークに成功した。小さくガッツポーズを見せた大坂は、自身のサービスでは外に切れるスライスサーブを織り交ぜながら緩急のある攻撃でブレークを許さず。強烈なフォアハンドで攻勢をかけた第9ゲームは1ポイントも許さずブレークし、第1セットを6―3で奪った。
このまま大坂のペースで進むかと思われた第2セット第1ゲーム。まさかのブレークを許した大坂は、第2ゲームの3ポイント目で見事なバックハンドの逆クロスを決めると「カモ~ン!」とこの試合初めて雄叫びを上げ自身を鼓舞した。追う展開となった第5ゲームはサービスをラブゲームでキープ。しかし、ファーストサーブの確率が上がらないまま第9ゲームをブレークを許し第2セットは3―6で落とした。
勝負の第3セットを前に大きく深呼吸をした大坂。キープで迎えた第3ゲームを逆転でブレークに成功すると、小さく左拳を握り雄叫びを上げた。ガルシアも攻撃姿勢を崩さず第4ゲームでブレークポイントを奪う。しかし、そこから気迫の雄叫び連発でブレークを許さず最終セット第2ゲームから3ゲームを連取した。第6ゲームは15―40から3つのピンチをしのぎ最後はセンターへの強烈なサーブを決めブレークを許さず。サーブ、ストローク、テクニックにメンタルと、ともにハイレベルな2人の激闘に大きな拍手が沸き起こった。集中力を切らさなかった大坂は、第9ゲームもブレークし勝利。笑顔でガルシアと健闘を称え合った大坂は、コート上のインタビューで「ロッド・レーバー・アリーナでプレーできて光栄です」と語り、スタンドを見渡しながら手を振って歓声に応えた。
大坂は5日に行われたASBクラシック(ニュージーランド・オークランド)のシングルス決勝で腹部の痛みを訴え、第1セットを先取後に途中棄権。今大会開幕の会見でMRI検査を受け「検査結果は最高ではなかったけど、悪くもなかった」と説明し「だから出場については凄く楽観的。つまり、間違いなく試合に出ます」と19、21年に続く3度目の優勝を狙う全豪へ意欲を示していた。
大坂の最近の4大大会成績は、2021年の全豪で優勝後は全4大会に出場しなかった23年を含め9大会に出場し3回戦進出が最高。今月6日に自身のインスタグラムで交際相手だった米人気ラッパーのコーデーとの破局を公表した大坂の、新たな戦いに注目が集まる。
2回戦では第20シードのムチョバ(チェコ)と対戦する。