◇ラグビー 全国大学選手権決勝 帝京大33―15早大(2025年1月13日 東京・秩父宮ラグビー場)
元日本代表PRで現在も130キロ以上ある帝京大・相馬朋和監督(47)の巨体が宙を舞った。4連覇にちなんで4回の胴上げ。「本当に素晴らしい学生たちです。言葉はいらない。一人一人抱きしめたい」と喜びを爆発させた。
勝敗を分けたのは、スクラムとディフェンスの強さ。そこには、かつて9連覇に導いた岩出雅之前監督(66)の教えがあった。21年度限りで退任し現在は帝京大スポーツ局長を務めるが、相馬監督らの要請を受けて昨年の夏合宿明けごろから毎朝練習に顔を出す。タックルの動作や細かな技術を丁寧に指導。低く強く当たる「戦車タックル」を選手たちに習得させた。
影響を受けたのは選手だけではない。休日返上で熱心に指導する岩出氏の姿を見た相馬監督は「学生との向き合い方、情熱の部分を教わった」という。「帝京が勝ち続けていた時にあったものを再構築してくれた」。名将の教えが、選手も監督も成長させていた。