◇大相撲初場所2日目(2025年1月13日 両国国技館)
今場所から大銀杏(おおいちょう)を結った大関・大の里が霧島を押し出しで下し、初日を出した。この勝利で通算100勝に到達。幕下以下が1場所7番取る現行制度では最速記録となった。3場所ぶりに復帰した横綱・照ノ富士は苦手の隆の勝を寄り切って今場所初白星。綱獲りに挑む両大関は明暗が分かれた。豊昇龍は翔猿を寄り倒して2連勝としたが、琴桜は小結・阿炎に突き出されて初黒星を喫した。
1月13日の成人の日。両国では大の里が「ちょんまげ大関」を無事卒業し、正真正銘の力士として第一歩を記した。頭上で輝く力士のシンボルも誇らしげに今場所初の勝ち名乗り。待望の大銀杏初勝利には「そこまで考えていない。集中して頑張ります」と淡々と振り返った。
スピード出世に髪の毛の長さが追いつかず、入門から11場所目の今場所、ようやく大銀杏を結うことができた。髪の量が少ないため、現在は他の力士より5分短い25分で仕上げるという。担当の床山・床二は「たまご形の頭なので切りやすい」と話した。
初日は体の動きが悪く、翔猿のはたきにあっさりと前に落ちた。「楽に相撲を取ろう」と気持ちを切り替えて臨んだ。動きのある霧島に上手を許し、半身にされながらも体勢を整えて反撃。最後は圧を生かす本来の攻めで土俵下へと吹っ飛ばした。「相手をしっかり見て落ち着いてやることができた」。この白星が通算100勝目。所要11場所での到達は武双山、雅山と同じだが所要日数は両者よりも少なく、幕下以下が1場所で7番取ることになった1960年名古屋場所以降の初土俵では最速となった。
師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は「相手を正面に置いて体を寄せる、いい勝ち方。初日は完全な油断だった。明日から波に乗れるのでは」と期待を寄せる。連日上位陣に土がつく波乱含みの場所。2連覇中と得意の東京で24歳の大器が反撃態勢を整えた。