広島・菊池涼介内野手(34)が14日、静岡市のちゅ~るスタジアム清水で自主トレを公開した。年末の契約更改で「僕も変わる」と宣言して迎えた2025年。発言にも変化が見られ、15年以来10年ぶりの全143試合に「出てやるぞ…という気持ちで」と意欲を燃やす。打撃面にも異例の言及があり、得点力不足解消に貢献する意気込みを示した。
後輩の矢野、阪神・熊谷に佐藤啓、中日・田中、樋口が新たに加わり、ヤクルト・村上も途中合流する21日間の自主トレ。菊池は約1時間、軽快な身のこなしで若手と一緒に内野ノックを受けると、フリー打撃にも精力的に取り組んだ。
「(自主トレを開始して)1週間ぐらい。楽しいね。新しいメンバーと、新しい発見をしながら、僕も勉強しながらやりたい」
助言は惜しまない。この日は矢野が二塁ベース寄りのゴロを処理して送球する際「左手が死んでしまう」と指摘。どう入り、どこで力を入れたら送球が安定するか、自身も実践した上で「こっちの方がいいんじゃない?」などと会話した。
新井監督の「来季は変化する年」発言を受け、契約更改では「僕も変わらないといけない」と宣言。若手に任せて一歩引いていた自分を改め、先頭に立って行動する決意を示した。自身の発言にもさっそく変化が見える。
「まずはしっかり試合に出ることが大事。143(試合)出られる体を持っておかないと出られない。出てやるぞ…という気持ちで取り組んでいく」
近年は発することがなかった「143」という数字。22年まで10年続けたゴールデングラブ賞奪回への意気込みを問われた際に「選手はみんな獲りたいと思っている」と答えた上で、そう答えた。
打撃面にも言及があった。打率・241に終わり「打てなさ過ぎた」と反省する昨季。契約更改で球団に「来季はもっと打って貢献する」と誓っており、自主トレではバットのヘッドが「立っているイメージ」でスイング練習を重ねる。
「みんなが個々に打てば点は入る。その1人になれたらいいなと思う。昨年9月は感覚が良くて、自主トレの入りも凄く良かった。ああ、こんな感じだったな…みたいな」
昨季は首脳陣から休養を与えられた中で136試合に出場した。自主トレで打撃に触れるのは異例で、それだけ今季の巻き返しに懸ける思いは強い。3月で35歳になる名手。意欲は十分、チームの先頭に立って今季はバットでも魅せる。(江尾 卓也)