阪神に新加入するジョン・デュプランティエ投手（30＝前ブルワーズ傘下）が、日本球界向きのナイスガイであることが判明した。証言したのは、昨季、メッツ傘下で右腕とチームメートだった藤浪晋太郎投手（30＝メッツ傘下3AからFA）だ。藤浪はデュプランティエについて「マジメで性格も明るい。本当にナイスガイ」と評した上で、かつて猛虎で活躍したランディ・メッセンジャー氏や、マット・マートン氏らと同様に「日本で活躍する選手に必要なメンタリティーは持っていると思います」と続けた。
新外国人選手は実際に来てみないと分からない…が定説だ。プレー面に関しては成績や動画などで、ある程度の把握はできる。だが性格まではうかがい知れない。どれだけ実績があっても、性格難で失敗する選手も少なくない。その点、藤川阪神の先発候補の一角として期待されるデュプランティエは問題なさそうだ。来日より一足早く、阪神に縁の深い選手が、その人柄を語ってくれた。藤浪だ。
「デュプランティエとは同じチームで、けっこう話はしました。いいヤツですよ。マジメで性格も明るくて。本当にナイスガイ」
昨季の開幕をメッツ傘下3Aで迎えたデュプランティエ。そこでチームメートとなったのが、藤浪だった。身近に接したからこそ、その証言は説得力を帯びる。藤浪は「プレー面に関してはアメリカと日本では求められるものも違うので、何とも言えない部分がありますけど」と前置きした上で、続けた。
「アメリカから日本に行く選手の中には日本へのリスペクトが欠ける選手もいます。アメリカでダメだったからレベルの低い日本で…みたいな考えの選手。でもデュプランティエは、そんな感じではないです。リスペクトを持っていて、やってやろうという感じで阪神に来ると思います」
ともにプレーしていた時にはデュプランティエから「日本野球って（米国と）どう違うの？」と聞かれたこともあったという。加えて藤浪は、その人間性に「日本で成功する条件」を見いだした。
「日本にフィットしようとする姿勢というのは、間違いなく外国人選手には必要だと思います。メッセンジャー、スタンリッジ、マートン、ゴメス…呉昇桓（オ・スンファン）もそうでした。自分が見てきた阪神で成功した選手たちは、日本にフィットしようという気持ちを持っていました。そういう意味では、デュプランティエも凄くいい姿勢を持っていると思います。日本で活躍する選手に必要なメンタリティーは持っていると感じます」
在籍10年間で6度の開幕投手を務め、通算98勝を挙げたメッセンジャーもメジャーでの実績は乏しかったが、日本に溶け込もうとする姿勢が才能開花につながった。デュプランティエも、日本で飛躍する可能性を秘める。
≪マートンら日本文化に順応し成功≫
マートンは10年1月の来日会見で「イマ、ココニイルノガ、ホンマ、ウレシデス」と、覚えたての関西弁を披露。甲子園の歴史や日本の野球についても知識を持っていた。
同じく10年からプレーしたメッセンジャーは日本のラーメンが好物になり、先発登板の前日は必ず実食。日本で誕生した次女のミドルネームは「ジジョ」だった。
韓国出身の呉昇桓（オ・スンファン）は、少年時代から日本野球に憧れを持ち、2年目の15年には日本語教師のアルバイトを雇って習得に力を入れていた。
スタンリッジは07年途中から08年にかけてソフトバンクに所属した際に、米国時代の力任せの投球から「日本にいた時に配球を勉強して」多彩な変化球を操る投手へと変身を遂げた。
ゴメスも入団時から親しく付き合ったマートンから助言を受けたこともあり、当初から研究熱心だった。いずれの選手も積極的に日本文化に親しむ姿勢を持ち、溶け込むことで日本野球にも順応。グラウンド内でのパフォーマンスにつなげた。