巨人・岡本和真内野手(28)が14日、川崎市のジャイアンツ球場で自主トレを公開。同姓選手が引退し「和」が取れた「岡本」表記で挑む今季の最大目標に、12年以来13年ぶりの日本一を掲げた。主将制度も廃止となり、肩書もなくなる中で「チームの和」となる結束力を強調。オフには「和食」も含めた料理も始めた主砲が、2年ぶりの30本塁打を最低目標にリーグ連覇と日本一を目指す。
和の達人が25年のテーマだ。ジャイアンツ球場に併設されている練習施設でティー打撃などで汗を流した岡本は「まず連覇を。CSで去年はやられているし何としても日本一になりたい」と誓った。
昨年から2つの変化がある。岡本姓が1人になり「“和”とか入ると、なんか変やなと思っていた」という昨年までの「岡本和」の表記から「和」がなくなり「岡本」に。さらに阿部監督が主将制度廃止を明言し、23年から2年間務めた主将の肩書もなくなる。それでも大事にするのは日本一に不可欠なチームの「和」。「年齢的にもそういうところまで来ているので頑張りたい」と肩書はなくても、チームをまとめ上げることを強調した。
新たに加わった「和」への思いもある。昨年終盤に腰痛を発症。11月のプレミア12での侍ジャパン入りを辞退した。オフは「動くのをこれでもかというくらい我慢した」と回復を最優先。昨年12月中旬まで約2カ月、バットを振らなかった。空いた時間に没頭したのが料理。今年に入りエプロンを2つ購入する熱中ぶりで、カレーや和風マリネも作り夫人にも好評だった。腸に良いとされるキノコ類を多めに使うことを意識し「気分転換にもなる。(料理すると)試合後くらい疲れたので、ご飯作るのは大変やなと実感した」と笑ったが「和食の達人」の道も見えそうだ。
もちろんプレーでの貢献が最優先だ。昨季は一塁でゴールデングラブ賞を獲得も今季は三塁、左翼での出場に意欲。「キャンプはいろいろやれる時間でもあるので、ちゃんと準備します」とWBCを控えていた23年以来のキャンプでの外野守備練習も見据えている。
昨年はリーグ2位の27本塁打で、30本塁打が6年連続で途切れた。2年ぶりの30発は「ただ一つのライン。それでも少ない」と最低ライン。「期待に応えられるように、勝ちにどうつながるかを考えてやりたい」。最後に目指すのは日本一の歓喜の「輪」だ。(小野寺 大)