ロッテからポスティングシステムでメジャー移籍を目指す佐々木朗希投手(23)の争奪戦がいよいよ佳境を迎える。日本時間15日の午後11時をもって、新局面となった。
佐々木は「25歳ルール」に該当する選手。MLBドラフトの対象となる米国、カナダ、メキシコ以外のアマチュア選手獲得に関するルールで、国際選手はマイナー契約しか結ぶことができない。契約期間は例年1月15日から12月15日まで。各球団は割り当てられたボーナスプールの中で、複数の選手と契約を結ぶ。25歳未満の海外選手との契約は、米東部時間15日午前9時(同15日午後11時)に再開。昨年度までに契約を結んだ球団も、この日の午後11時をもって、ボーナスプールは最大限使うことが可能になるため、佐々木の契約が締結するのは15日以降と米メディアも報じていた。
佐々木との面談が報じられたのはドジャースの他に、パドレス、ジャイアンツ、カブス、ヤンキース、メッツ、レンジャーズ、ブルージェイズの8球団。当初は20球団以上が名乗りを上げたが、ある程度絞った上で面談に臨んだと思われる。
その後、米スポーツ専門局「ESPN」のジェフ・パッサン記者は「情報筋によると、日本のスター右腕、佐々木朗希の獲得候補はドジャース、パドレス、ブルージェイズ」と報道。争奪戦からヤンキースやメッツ、カブスなどが脱落し、3球団まで絞り込まれたというのが有力な情勢だ。
代理人のジョエル・ウルフ氏はこれまで「彼は投手育成や、球団がどのように成長させてくれるかに非常に興味を持っている」と明かしていた。育成制度や球団のビジョンなどを重視しており、契約金は第一条件にはならない。佐々木は年明けに再渡米し、現地で自主トレを行っている。候補球団には実際に本拠へ足を運び、球団施設や育成環境面などを自ら確認している模様だ。
有力候補の一つであるドジャースは、中南米の選手との契約を保留し、佐々木獲得を最優先事項としている、と米メディアも注目している。米スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」によると、2度目の面談を予定しており、ド軍の選手も参加するという。
オーナー一家で、球団の経営権を巡った訴訟が今月6日(日本時間7日)に起こったことで話題となったパドレスも、現状では候補に残っている。先週末にはパドレスとサンディエゴで2度目の面談を行ったと米メディアが報じ、本拠・ペトコパークで練習をしている動画がSNS上で拡散した。また、ブルージェイズ本拠でも練習したとの情報も出た。
佐々木獲得の可能性が残る3球団について、25年度の国際選手契約で割り当てられるボーナスプールは、ブルージェイズとパドレスが630万ドル(約9億9540万円)、ドジャースは510万ドル(約8億580万円)。
交渉期限は米東部時間23日午後5時(同24日午前7時)までとなっており、注目の最終局面を迎えた。