谷川浩司十七世名人(62)が15日、大阪府高槻市へ移転した関西将棋会館で第83期順位戦B級2組の郷田真隆九段(53)との対局に臨み、勝利した。中学2年だった1976年、史上2人目の中学生棋士としてデビュー以来の勝ち星が1400に到達。羽生善治九段(54)の1577、大山康晴十五世名人の1433につぐ3人目だった。
年明け初戦の9日の竜王戦4組に続く連勝で決めたが、昨年末まで7連敗と苦しんだ。10月の王位戦に勝利した後、トンネルが長かった影響もあり、阪神大震災発生30年となる17日の2日前での達成となった。
谷川は神戸市出身、在住で、第44期王将戦7番勝負中の被災経験を乗り越え、羽生の挑戦を4勝3敗で退けた経験がある。「偶然なんですけど…」と口火を切った後、「30年は区切り。とは言っても被災された方の生活はまだまだ続くので」と思いを巡らせた。
あらかじめ谷川の先手に決まっていた対局は角換わり腰掛け銀へ進んだ。これまでの対戦成績は谷川の36勝25敗。タイトル戦でも4度顔合わせし、谷川の3勝1敗と名勝負を繰り広げた郷田相手の節目の1勝は感慨深いものだったに違いない。十七世名人の推戴状授与式に出席した2022年6月、当面の目標として1400勝や大山康晴十五世名人の1433勝を挙げた。以来、2年半でのメモリアル勝利となった。