オリックス・山下が、2種類のフォークの使い分けで奪三振量産を狙う。3勝にとどまった昨季終盤に、変化量を抑えたフォークを完全習得していたことを明かした。
「去年最後にフォークが良い感じに扱えていたのもありますし、それを伸ばしながら。カーブを含めた2球種がやっぱりメインになってくるので」
一昨年の春季キャンプで臨時コーチを務めた野茂英雄氏から学んだ握りは変えずに投げ分ける。昨年3月に侍ジャパンでチームメートになった西武・隅田から教わったチェンジアップを昨夏から使い始めたこともきっかけとなったという。「今までは空振りを狙うワンバウンド(の軌道)しかなかったけど、チェンジアップを投げていて(フォークを)ストライクゾーンに落とせる感覚が出てきた。ワンバウンドのフォークも振ってもらえるようになるし、カーブも生きてくる」。昨年8、9月は6試合計40イニングで防御率1・58、56奪三振と圧倒。手応えがあるからこそ「(フォークか)どっちかでいいので」とチェンジアップの封印も決めた。
大阪・舞洲の球団施設で自主トレしたこの日は、昨秋の「第三腰椎分離症」発症後、3度目のブルペン入り。捕手を立たせて31球を投げ、リハビリ途上ながら最速150キロを計測した。キャンプイン前には捕手を座らせた投球練習も予定。「フォークは(捕手が)座りだしてから」と開幕へ視界良好だ。昨春は筋力増に取り組んで108キロでキャンプインした体重も、昨季終盤の99~100キロを維持。進化に向け、大器が静かに爪を研ぎ続けている。 (阪井 日向)