日本ハムの池田隆英投手(30)が15日、千葉・鎌ケ谷で自主トレを行い、今季初めてブルペン入りした。ゆったりしたフォームから約15球、捕手を座らせて本格投球。昨年とほぼ同時期のブルペン入りとなったが、1年前とは投球フォームの力感に差があった。救援転向3年目の今季、昨季の“失敗”から学ぶ今オフの右腕の取り組みに迫った。
昨年は1月17日、今年は1月15日。2年連続でほぼ同時期に池田はシーズン初ブルペン入りをしたが、今年は1年前と明らかな“違い”があった。それはフォームの「力感」だ。自主練習を終えた右腕に問うと、笑顔で狙いを口にした。
「昨年は初ブルペンから出力を出していく感じだった。今年は一気に上げるのではなく、計画を立てて上げている」
昨年1月、池田は飛ばし気味だった。リリース時には「うおりゃ!」とうなっていたほどだ。「早く仕上げないといけないという状況に追い込まれていた」と池田。焦りと前年の蓄積疲労の影響などから、春季キャンプ終盤に右肘痛を発症。開幕はリハビリスタートとなり、1軍初登板は7月と出遅れた。
23年に救援転向したばかりで、昨年が救援として初めて迎えたオフだった。さらに、22年から2年間で平均球速が4キロもアップした成功例もあり、出力を追い求め過ぎていたのかもしれない。その反省を生かすため、今オフはフォーム固めを最優先し「昨年よりフォームが良いし、質も良い」と、仕上がりに手応えを口にした。
脱力を意識する中で、気付かされたこともある。これまで力感のないフォームから威力ある直球のギャップが武器だったが、「昨年はあまりできなかった。もう1回、見つめ直してきた」と池田は言う。「形はできてきたので、ここから出力を上げるだけ」。昨季の経験を糧に、「8回の男」を不動のものとする。(清藤 駿太)