米大リーグのアスレチックスが15日(日本時間16日)、東京・桐朋の森井翔太郎選手(18)の獲得を発表した。契約金は150万ドル(約2億3700万円)で、新たな二刀流の成功モデルを目標に大きな一歩を踏み出す。
アスレチックスは「国際フリーエージェントとなった遊撃手兼右投げ投手の森井翔太郎選手とマイナーリーグ契約で合意した」と発表。森井について「日本出身の二刀流選手である森井選手は、ベースボール・アメリカ誌の国際プロスペクトランキングで25位にランクされています。18歳の森井選手は、東京の桐朋高校では左打者として3シーズンで45本塁打を放ち、同時に投手としても活躍しました」などと紹介した。また、球団公式Xでも「アスレチックスへようこそ!森井翔太郎選手!」と投稿し、アスレチックスのユニホームを着用した森井の写真も掲載した。
その後、森井は現地メディアのオンライン取材に対応。二刀流で比較対照となるドジャース・大谷翔平について「大谷選手は今の私からはるか遠く離れた野球選手です」としつつ「できるだけ早く彼に近づくこと」と目標を口にした。
また、NPBを経由せずアメリカ行きを決断したことについては「自分の人生とキャリア全体を考えたときに、自分の決断を後悔したくありませんでした。できるだけ早くプロ野球の環境に参加したかった」と説明。アシスタントゼネラルマネージャーのダン・ファインスタイン氏は「彼は非常に才能のある野球選手であり、遊撃手と投手の両方をこなせるだけの運動能力と機動性を備えています。しかし、彼の身体能力以上に、私たちにとって最も印象的だったのは、野球への情熱と、日本から次の偉大な選手の一人になりたいという揺るぎない願望です」と獲得した経緯を説明した。
森井は3月にチームに合流する前に一度帰国する予定。既に英語の講習を受講しており、大谷翔平、山本由伸、松井秀喜、ダルビッシュ有などのMLBでの成功が決断に役立ったかどうか問われると「Yes, of course.(はい、もちろんです)」と英語で答えたという。
25歳未満の海外選手との契約は、米東部時間15日午前9時(同15日午後11時)から解禁となり、森井はこの日、晴れてアスレチックスと契約を締結。新たな二刀流の成功モデルを目標に大きな一歩を踏み出した。同様に25歳未満の海外選手として注目が集まるロッテ・佐々木朗希投手よりも一足先に契約となった。
森井は自身のインスタグラムも開設。入団会見の写真やアスレチックスの球団施設で守備、打撃練習を行う動画を投稿し「この度アスレチックスとマイナー契約を結んだ森井翔太郎です。まずは今まで自分の決断を見守ってくださった皆様に感謝を申し上げます。自分の今後についてたくさん考えて、覚悟を決める事ができました。そして、自分自身がメジャーリーガーになりたいから努力し続ける事は当然ですが、プロとして球団やファンの皆さまをはじめ、応援してくださる方々にその姿を見せ続ける責任があると考えるようになりました。これからも自分に向き合って精進していきますので、応援よろしくお願いします」と決意表明した。
◇森井 翔太郎(もりい・しょうたろう)2006年(平18)12月15日生まれ、東京都出身の18歳。桐朋小1年から野球を始め、6年時には西武ジュニア入り。桐朋中では、軟式野球部に所属。高校では1年夏に背番号15で初めてベンチ入りした。憧れの選手はレンジャーズ・デグロム。50メートル走6秒1、遠投110メートル。1メートル83、88キロ。右投げ左打ち。