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尚弥に挑戦のキムが来日 日韓対決でのKO予告「激闘になる」スイッチ武器もサウスポーでの戦い示唆

スポニチアネックス 2025年1月16日 16時40分

 ◇プロボクシング 世界スーパーバンタム級4団体タイトルマッチ 統一王者 井上尚弥<12回戦>WBO11位 キム・イェジュン(韓国) (2025年1月24日 東京・有明アリーナ)

 世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31=大橋)に挑戦するWBO同級11位の金芸俊=キム・イェジュン=(32=韓国)が16日、羽田着便で来日した。

 黒のハットをかぶり、マスク姿で到着ゲートに現れたキム。多くの報道陣に囲まれ、やや緊張気味だったが「日本に来るたびに日本人の方たちがとても優しく友好的。日本にはとてもいい印象を持っている」と約10年ぶり3度目の来日に頬を緩め、「井上選手は韓国でもとても有名。韓国のボクシングファンは凄く楽しみにしている」と注目度の高さを口にした。

 当初、井上に挑戦予定だったIBF、WBO同級1位サム・グッドマン(26=オーストラリア)が左目上を負傷し、対戦が中止となったことで急きょ、キムに白羽の矢が立った。一カ月前にはリザーバー(代役)として前座に出場することが内定しており「普段から練習をちゃんとやってきた。いつも対戦できるように準備してきたので、残った一週間を計画通りにやっていくだけ」と自然体を強調した。

 日本人相手に7戦全勝で「どんな相手でも倒れることなく、相手選手にトラブルをもたらす」ことから“トラブルメーカー”の異名を持つ。「韓国の選手たちは大体、精神力が強いと思うが、その中で私は一番強いと思う。自分はガードも打たれ強さもある。井上選手の強打を受けることも十分できる」と自信満々。戦略は明かさなかったが、「相手を倒すようにしていきたい」とKOも見据えていることを明かした。

 来日前にはオーストラリアに約2週間滞在し、元世界王者ジェーソン・モロニー(34=オーストラリア)との8ラウンドのスパーリングをこなした。モロニーが2月の次戦でWBOアジア・パシフィック・バンタム級王者の那須川天心(26=帝拳)との対戦が控えていることから左構えで手合わせしたことを告白。もともとオーソドックススタイルだったが、20年に手術を受けたことで21年に現在のスイッチスタイルに変更。「左の方が右より強い」と井上戦は左構えで戦うことも示唆。モロニーからは井上についてのアドバイスも受けたことも明かした。

 両親はおらず19歳まで施設で育ち、裕福になるために20歳でボクシングを始めた。韓国ボクシング界では07年に元WBC世界フェザー級王者の池仁珍が王座を失って以来、世界王者が不在となっており、代役挑戦者となったキムには千載一遇のチャンス。「世界タイトルはどのボクサーにとっても憧れ。今回の試合は自分にとってはとても大きい意味がある。自分の限界を試す試合」と並々ならぬ覚悟を口にし「激闘になることは共感している。今回の試合もそうなるようにやりたい」と井上にとって初の“日韓戦”は激戦になることを予告した。

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