阪神の岩崎優投手(33)が静岡市の草薙球場で、桐敷、及川、川原、栄枝らと行っている自主トレを公開。“岩瀬ロード”を歩み、一線級であり続ける覚悟を示した。
「ここ(34歳のシーズン)でちょっと落ちちゃったらそのまま(下降して)いくことも全然考えられる。パフォーマンスを維持できるようにやっていく」
6月には34歳になる左腕は「ベテラン」と呼ばれる域まで達した。体力的な衰えはまだ感じていないが「数字で引っ張る」と常々口にしているように、成績が伴わなければ世代交代を強いられる。
目指すべきは、殿堂入りを決めた岩瀬仁紀氏だ。NPB最多407セーブのレジェンドは、岩崎の今季と同じ34歳シーズンで36セーブを記録。翌年から2年連続を含む3度も最多セーブのタイトル獲得するなど、30代中盤から再びキャリアのピークをつくり上げて43歳まで現役を続けた。
「並大抵のことじゃない。大事なポジションでずっと投げられた、それがすごい」。雲の上の存在でも、描いた“道筋”は力になる。「(30代中盤からでも)まだまだやれるんだと。自分もやれるかもしれないとか。勇気づけられると言ったらあれですけど」。守護神に指名した藤川監督も岩瀬氏を引き合いに「同じことを黙々と寡黙にやり続けるとあそこまでいける。岩崎に通じる部分がある」と期待を込めた。
今季、通算100セーブ、150ホールドの達成も見据える岩崎は「もっと上を目指して」と通過点を強調。同じ背番号13を背負う鉄腕の背中を追いかけ、高みを目指す。(遠藤 礼)
≪栄枝は“岩崎投法”で進化を期す≫
栄枝は“岩崎投法”を会得して進化を期した。連日、キャッチボール相手を務めており「ピッチャーは投げた後に下半身がピタッと止まる。下半身が良い形で入って連動できる」と分析。下半身を意識し、この日も二塁送球を繰り返すなど手応えは十分だ。「この4年間で一番仕上がっている。5年目のシーズンで新しく捕手も入りましたし、結果にこだわってやっていかないと」。危機感もにじませ勝負の1年を見据えた。
≪桐敷は快挙を目指す≫
桐敷は2年連続での70試合以上登板と防御率1点台を目指す。「登板数はあまり気にしていないですが、防御率は目標にはなる」。昨年は70試合で防御率1.79。2年連続で二つの数字を達成すれば、中日・浅尾(現中日投手コーチ)以来で、左腕では初の偉業だ。「浅尾さんは小学校の時ずっと見ていました。フォークボールが印象的だった」。最優秀中継ぎ投手のタイトルも、2年連続での獲得を視野に入れる。
≪及川は初開幕1軍へ例年以上の出力≫
及川は静岡での合同自主トレで、捕手を座らせての投球を披露した。「きのう(15日)から座ってもらって投げています。例年よりも出力を上げて投げています」。昨秋の甲子園での秋季練習では藤川監督から、体の使い方を横ではなく縦の動きにするよう指導され、「その部分を考えながらやっています。6年目になるんですけど、まだ一度もない開幕1軍を目指して1年間戦力として貢献したい」と抱負を述べた。